【朝日杯FS】ツィンクルソード 父の剛脚、母の先行力受け継いだ

[ 2013年12月11日 05:30 ]

ツィンクルソードは雨の中、厩舎周りを運動する

 今年の2歳王者決定戦「第65回朝日杯FS」は空前の大混戦。牝馬にダート無敗馬、さらに地方馬プレイアンドリアルも注目の的だが、もう1頭のデュランダル産駒ツィンクルソードも見逃せない。先行力と切れ味を秘めた芦毛の馬体が、不気味な輝きを放っている。

【朝日杯FS】

 その名も輝く剣。ツィンクルソードは父母の特長をしっかりと受け継いでいる。父はデュランダル。現役時、国内で走った17戦中15戦で最速の上がり(3F)をマークしG1・3勝を挙げた切れ者だった。母ツィンクルブライドは94年桜花賞2着。好位3番手から抜け出し、勝ったオグリローマンの強襲には屈したが、鼻差2着に踏ん張った。

 父の切れ味、母の先行力をいかんなく発揮したのが前走(500万下)。スタート直後から掛かり気味の走りで、向正面の中間でいったんは先頭に押し出される。鞍上のリスポリが必死になだめ、何とか2番手に控えて勝負どころへ。4角では内外から他馬に挟まれる形でプレッシャーを受けたが、直線に向くと瞬時に加速。3F33秒9の末脚で後続を寄せ付けなかった。担当の平田助手は「掛かった時点でダメだと思った」と振り返った上で「能力で勝ってくれた。折り合いは難しいが、それでも切れ味がある」と、潜在能力を再認識した一戦だ。

 中間は短期放牧を挟み、ここ一本に絞っての調整。「順調ですね。先週、目いっぱいに追ったら、また一段階良くなった。全身を使って走れるようになったし、息遣いもいい」と体調面の不安はない。「あとは中山までの輸送。これだけはやってみないと…」と、初の長距離輸送を課題に挙げたが「楽しみの方が大きい」と笑顔を見せる。

 松永昌厩舎は大将格のウインバリアシオンが屈腱炎を克服し、先月30日の金鯱賞で1年5カ月ぶりに戦線復帰。3着に激走し有馬記念に向かうことが決まった。平田助手は「厩舎のムードはいいですよ。竹邑さん(バリアシオンの担当厩務員)からも“いいバトンを渡してくれよ”と言われました」と話す。中山向きの先行力と、好位から繰り出す追い込み馬並みの末脚。2歳王者へ、輝きは増すばかりだ。

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2013年12月11日のニュース