【小倉競輪祭】金子が今年2度目G1制覇!2着深谷、師弟ワンツー

[ 2013年12月2日 05:30 ]

競輪祭で2度目のG1制覇を果たした金子(中)は弟子で2着の深谷(左)、3着・大塚とともに声援に応える

 金子貴志が今年2度目のG1制覇――。「第55回競輪祭」の決勝戦は1日、小倉競輪第11Rで争われた。レースは弟子の深谷知広の逃げに乗った金子貴志(38=愛知・75期)が差して優勝、賞金2590万円を獲得した。2着は深谷で7月・寛仁親王牌同様に師弟の上位独占となった。金子のG1優勝は寛仁親王牌以来2回目。なお「グランプリ2013」(30日=立川競輪場)の9選手が同日決まった。

 7月の寛仁親王牌優勝時は、表彰式に向かう途中から涙が止まらなかった。一転、2度目のG1制覇は晴れやかな笑顔だった。金子は開口一番「深谷のおかげだけど、本当にうれしい」と喜んだ。

 レースは準決勝同様に愛弟子の深谷に任せた。「深谷が落ち着いて仕掛けてくれた。深谷の掛かり(スピード)が凄く良かったので、誰も(まくりに)来ないと思った」。快速・深谷のスピードに離れることなく続いて、きっちりゴール前勝負で差し切った。

 ヒーローインタビューでは「前回(親王牌優勝)はタイヤ差だったので勝てたかどうか分からなかった。今回は勝ったと分かったのでガッツポーズが出た」とファンの声援に応えた。38歳の金子が、深谷の強烈な踏み出しに続くだけでなく差し切れるのは、持ち味であるダッシュ力にある。金子は全プロ大会のスプリントを4回も優勝しているのだ。

 もちろん、それは日々の練習が支えている。寛仁親王牌でG1初優勝を飾った後は「深谷とグランプリに乗るということで、いい緊張感の中で練習できている」と精神面の充実を強調。その証拠に金子は、親王牌以降の全ての開催(2日制は除く)で、決勝戦進出を続けている。

 GP9選手が決まり、本番の30日まで1カ月を切った。デビュー19年目で大輪の花を咲かせた男は「一日一日を大事にしっかり練習する。深谷と一緒に競輪学校で練習する計画もある。基本は自分のやるべきことをやるだけです」と自然体でGPを迎える腹積もり。金子と深谷――。“師弟の強い絆”は暮れの大一番の見どころの一つになる。

 ◆金子 貴志(かねこ・たかし)1975年(昭50)9月5日生まれの38歳。愛知県豊橋市出身。私立桜丘高卒。95年4月デビュー。通算成績は1596戦392勝。通算取得賞金は6億5365万円。主な優勝はふるさとダービー佐世保(04年4月)、第22回寛仁親王牌(13年7月)、第55回小倉競輪祭。1メートル75、86キロ。血液型A。

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