【天皇賞・秋】トウケイヘイロー抜群の行きっぷり、馬なり12秒5

[ 2013年10月24日 06:00 ]

トウケイヘイロー(手前)は併せ馬でラスト12秒5を叩き出した

 東西の上がり馬に気をつけろ!天皇賞・秋の追い切りで動きが目立ったのが重賞3連勝中のトウケイヘイロー。単走でも抜群の行きっぷり。G1・100勝(地方、海外含む)が懸かる武豊(44)とのコンビで“圧逃V”を狙う。美浦ではオールカマーを9番人気で制したヴェルデグリーン。強さの秘密は爪に隠されていた。

【天皇賞・秋】

 快速馬トウケイヘイローは最終追いでも“らしさ”を存分に発揮した。CWコースで首をリズミカルに上下させ、抜群の加速。鞍上がなだめるのに苦労するほどの行きっぷりだ。残り800メートル、1F14秒台から12秒台まで一気にペースアップ。直線でも馬なりのまま鋭く伸び、1F12秒5。勢いは最後まで衰えなかった。

 「本当にいい動き。持ったままでも馬が勝手に走る。カリカリしたところもない。戦える状態にある」。調教パートナーを務める黒岩(レースは武豊)が抜群の手応えを伝えた。見守った清水久師も笑顔だ。「1週前に、きっちりやっているし予定通り。この馬らしい動きだった。無事に最終追いを終えて、ちょっとだけホッとしている」

 今年に入って6戦5勝と充実一途。特に、中距離戦に挑んだ6月の鳴尾記念からは重賞3連勝。距離延長が転機となり、素質が一気に開花した。「デビュー当初から2歳馬離れした風格があった。今までは短距離戦で忙しい競馬。2000メートルの距離で気分良く走れたことで、才能が花開いたかな。距離に尽きるね」(同師)

 動きを見た武豊は「凄く走りたがるタイプ。その分、雨が降っても気持ちがなえることがない」と語り、「(開催)中止にならないくらいの土砂降りが理想」と笑わせた。「今回は東京、直線が長くなる。タイムも速く、ここ3戦とはイメージが違うかな。チャレンジャーの立場」と控えめに分析したが、「自分のスタイルを持っている馬。迷いはない。他馬は見えていないよ。チャンスはある」。自身のG1100勝に向け、この馬の戦法を貫くことをあらためて宣言した。

 ここで結果を出せば、海外雄飛の可能性もある。清水久師は香港国際競走(12月8日、シャティン)に登録済みであることを明かした。迷いなき大逃走。天皇賞のペースをつくるのは、この馬で間違いない。

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2013年10月24日のニュース