【安田記念】短距離王ロードカナロア圧倒V!世界の脚で2階級制覇

[ 2013年6月3日 06:00 ]

史上6頭目のスプリント&マイルG1を制したロードカナロア(中央、黄色帽)がゴールを突き抜ける

 上半期の最強マイル王決定戦「第63回安田記念」が2日、東京競馬場で行われた。3歳時の11年1月ジュニアC(2着)以来のマイル挑戦となったロードカナロアが、1番人気に応えて優勝。昨秋のスプリンターズSから重賞5連勝で、JRA史上6頭目のスプリント&マイルG1優勝を達成。鞍上の岩田康誠騎手(39)は区切りのG1・20勝目を飾った。

【レース結果】

 これが世界の脚。ロードカナロアの強さに、6万大観衆が酔いしれた。前走からの2F延長も関係なく、前日土曜から不動の1番人気。岩田は意気に感じていた。「世界を制した力をファンも信じてくれる。光栄だ。負けるわけにはいかない」

 予想通り、シルポートが逃走。完璧なスタートを切ったカナロアは中団でしっかり我慢。前にダークシャドウ、すぐ内には2番人気グランプリボス。「思惑通りだ」。爆発しそうな手応えを手綱に感じながら迎えた直線。先行馬が失速した残り1F、満を持して鞍上はゴーサインを出した。外にフラつきながら、必死に追いまくった。迫るダノンシャークを斬り、返す刀で肉薄したショウナンマイティを首差しのぎ切った。

 堂々の2階級制覇。区切りのG1・20勝目を飾った岩田は「(直線で)1頭になると、遊んでしまう馬。何回かよれて修正できなかったのが心残り」と過怠金10万円を科されたプレーを神妙に反省。その上で公約通りの「世界のカナロア」を称えた。

 「道中我慢させる自信はあった。マイルなのでゴールから逆算して、追い出した。一瞬の切れのある馬に気をつけ、必死に追った。2着馬?あの馬に一目置いていた。正直怖かった。最後まで気を抜けなかったがカナロアはさすがです」

 JRA史上6頭目のスプリント&マイルG1制覇。安田師にとっても、会心の勝利だ。前走・高松宮記念を勝った直後は「1200メートルオンリーでも」と示唆した指揮官の一念発起の軌道修正。師は「ホットしました。9月のスプリンターズSまで間隔が空くので、6月に一度使いたいとオーナーと協議し、安田一本で行こうと…。久々のマイル。ましてタフな東京コース。どうかな?とも思ったが、よく頑張った」と感服した。

 夏はご褒美のお休み。出走レースが限られた春とは一変。秋は候補が多すぎるうれしい悩み?も。鞍上は「これで距離の幅も広がった。暮れまで負けられないレースが続く」と目を輝かせれば、安田師は「調教でも無駄がないのがセールスポイント。秋はスプリンターズS(9月29日、中山)とマイルCS(11月17日、京都)は間違いない。きょうの競馬を見ると、香港マイル(12月8日)も魅力ですね。香港スプリントもあるんですけど…ね」と目を細めた。国境を越えたカナロアのさらなる進撃は間違いない。

 ◆ロードカナロア 父キングカメハメハ 母レディブラッサム(母の父ストームキャット)牡5歳 栗東・安田厩舎所属 馬主・ロードHC 生産者・北海道新ひだか町ケイアイファーム 戦績16戦11勝 総獲得賞金6億3455万6900円。

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