名手の競演“その金ナイター”開幕

田中学騎手

　【地方競馬です！！】５日から園田競馬で金曜ナイター、通称“その金ナイター”が開幕。昨年の試行を踏まえ、今年は照明を増設するなどパワーアップして行われるが、やはり注目はレース。特に、毎年激しくやり合う田中学（３９）と木村健（３７）の騎手リーディング争いからは目が離せない。

　ＪＲＡで活躍中の岩田康誠が去った０６年から２人の争いは始まった。０６年木村、０７年田中、０８、０９年木村、１０年田中、１１年木村、１２年田中。田中が落馬で重傷を負い、復帰まで７カ月を要した０８、０９年を除き交互にリーディングを獲得。両者一歩も譲らない。

　田中は車いす生活にもなりかねなかった重傷から復帰した翌１０年、リーディングに返り咲いて見せた。「数字にこだわっていたが、復帰後は悔いの残らないレースをするという方に意識が変わった。少しでもしがみついて頑張りたい」。しがみつくと表現した不屈の闘志が、現在も病院通いを続けながらトップを狙う田中を支えている。

　１２年は田中道夫調教師、田中学騎手、田中正厩務員が親子で“トリプルリーディング”を獲得と強烈な輝きを放った。今年は４日終了時で木村７７勝、田中６９勝、５４歳の大ベテラン・川原正一が７４勝で２人の間に割り込み、ますます混戦の様相だ。名手たちが散らす火花が、いよいよ開幕の“その金ナイター”を照らす。　（秋田　麻由子）