【チャレンジカップ】平尾イン逃げ圧勝 SG初載冠

[ 2012年11月26日 06:00 ]

地元でSG初優勝を飾り、師匠の黒明氏(左)に祝福される平尾

 SG初Vだ!逆転で賞金王出場だ!ボートレース児島のSG「第15回チャレンジカップ」は平尾崇典(40=岡山)が逃げて優勝。断然の1番人気に応え、インからあっさり伸び返して後続を圧倒した。SGは3回目の優出で初V。賞金ランクも8位に浮上した。2着に太田、3着に岡崎で本命決着。これで来月21日からボートレース住之江で始まる賞金王決定戦に出場する12人が決まった。

 長く、苦しかったSG初Vへの道のり。悔しい思いを何度も重ねた。そして優勝戦当日も長く、苦しかった。1号艇ゆえの重圧。これを解き放ったのは尊敬する先輩の一言だった。「1号艇なのを忘れようとして、試運転ばかりしていた。それでもいろいろ考えたけど、直前に川崎(智幸)さんが“正月レースと一緒じゃ”って言ってくれた。とにかく全速で回ればいいって思えるようになった」

 差される、スタート遅れなど最悪のシナリオが頭をむしばむ。それが先輩の一言、いや優しさで救われた。優勝戦も滑らかな全速ターン。圧勝だった。そして、もう1人、平尾を優勝へと駆り立てた大切な人がいる。“児島のカリスマ”と言われた元選手の黒明良光さんだ。

 「黒明さんにはおまえに足りないのはハートじゃって言われた。自分でも分かっているけど、なかなか鍛えられなくて。やっとSGを勝てて黒明さんにいい報告ができました」

 愛するからこその?咤(しった)激励を山ほど受けた。それがじわじわと蓄積。今の平尾はヤワな精神力ではない。この重圧で優勝できたのだから。レース後は黒明さんとガッチリ握手。偉大な先輩の力、そして平尾の強さが合わさった優勝だった。

 さあ、次は賞金王決定戦。岡山勢では06年川崎智幸以来、6年ぶりの出場となる。直前のSGを制覇。勢いなら誰にも負けない。児島で見せたパフォーマンスを住之江でも披露する。

 ◆平尾 崇典(ひらお・たかのり)1972年(昭47)10月19日生まれの40歳。岡山支部所属。96年5月に児島でデビュー。通算成績は4089戦1282勝。98年12月若松一般戦で初優勝。今回で55回目の優勝。SGは今回が3度目の優出。G1は05年の丸亀53周年で初V。通算3V。同期に村田修次、中岡正彦、星野太郎、中谷朋子らがいる78期。

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2012年11月26日のニュース