【高松宮記念杯】故郷に錦!武田 函館G1初代王者に

[ 2012年6月18日 06:00 ]

【高松宮記念杯】表彰式で賞金ボードを掲げ喜ぶ1着の武田豊樹(中央)と2着の脇本雄太(左)、3着の神山雄一郎(右)

 函館競輪場で初めて開催されたG1「第63回高松宮記念杯競輪」。17日に行われた決勝は、地元北海道出身の武田豊樹(38=茨城・88期)が直線抜け出して優勝。賞金2590万円(副賞含む)とグランプリ2012の出場権利を獲得した。武田のG1優勝は09年9月の松山オールスター以来、3年ぶり3回目。連覇に挑んだ深谷知広はまくり不発の5着に敗れた。

 「北海道は故郷。自分が優勝すると決めていた」。函館競輪場で初めて開催されたG1を優勝した武田は満面の笑みで地元ファンの声援に応えた。北海道斜里町出身。「函館でG1開催が決まった時(11年4月)から意識していた」とかなり前から今大会に照準を合わせていた。だが4月名古屋、5月平塚と連続で落車するアクシンデント。直前の西武園記念に優勝したものの、決して万全の状態ではなかった。それでも「落車は自分の精神力で乗り越える」。強い気持ちで今大会を迎えた武田は初戦から力強い走りで決勝に駒を進めた。

 勝ち上がりのレース内容と感触から自信を深めた武田は大一番でも冷静だった。「(先行すると思う)脇本君はスピードが落ちないし、僕は深谷君の内か外。内なら村上君が横に動くか前に踏むかを見る。外なら並走から仕掛ける」。脇本―村上に続いた武田は外の深谷が仕掛けると村上の動きを見極め最終4コーナーで村上の内に入り、真っ先にゴールを駆け抜けた。

 3年ぶり3回目のG1優勝。「やっと獲れたという感じ。優勝以外はいらないと思っていたけど、人気に応えられて今はホッとしている」。喜びとともに安どの表情も見せた。

 この優勝で4年連続5回目のグランプリ出場が決定。「(年齢的に)先行力は落ちていくけど自分の戦法に磨きをかけること」を目標に掲げた。スピードスケートから競輪に転向して今年で10年目。武田は今まさに心技体の充実期を迎えている。

 ◆武田 豊樹(たけだ・とよき)1974年(昭49)1月9日、北海道斜里町生まれの38歳。釧路緑ケ岡高卒。03年7月プロデビュー。通算成績は707戦271勝。通算取得賞金は8億228万円。主な優勝は第62回日本選手権(09年)、第52回オールスター(09年)、第63回高松宮記念杯(12年)。ソルトレークシティー五輪(02年)スピードスケート500メートル8位。1メートル77、90キロ。血液型O。

続きを表示

この記事のフォト

2012年6月18日のニュース