【函館スプリントS】ドリームバレンチノ 重賞初制覇!

[ 2012年6月18日 06:00 ]

【函館スプリントS】ロードカナロア(左)を抑え勝利したドリームバレンチノ

 東西で上がり馬が3連勝、重賞初制覇を決めた。サマースプリントシリーズ初戦「第19回函館スプリントS」は、2番人気ドリームバレンチノが圧倒的1番人気のロードカナロアを2着に抑え込む殊勲の星を挙げた。

 人馬一体でつかんだ金星。松山は右手でポンとドリームバレンチノの肩を叩いた。断然人気ロードカナロアを抑えての勝利。加用師は「ジョッキーを褒めてあげて。馬を信じて乗ってくれた」と主役の座を22歳の鞍上に譲った。

 スタートは一息だったが少頭数だったこともあり、慌てず外めに持ち出して中団をキープ。内にいるロードカナロアはもちろん視界に収めていた。「カナロアより先に動きたかった」と松山。直線を向いてスペースを探すのに一瞬手間取ったカナロアに対して、外から一気に脚を伸ばしてリードを奪う。直線が262メートルと短い函館では、この差が決定的だった。「4角では(仕掛けが)早いかなと思ったが、強い内容だった。しまいは本当にしっかりしている。ここを勝てたのは大きな意味がある」と満足げに振り返った。

 松山にとってバレンチノは思い入れの強い1頭だ。騎手デビューした09年の秋。新馬戦から厩舎ゆかりの期待馬の手綱を任され、ここまで23戦中17戦でコンビを組んできた。しかも8勝は全て松山の手綱。函館はこれまで騎乗経験がなかったが、この馬のためならと二つ返事で駆けつけた。「デビュー年に一緒にデビューしたし、思い入れがある。失敗したレースも多かったし、馬にいろいろ教えられてきた。この馬で重賞を勝てたのはうれしい」。愛馬に“恩返し”できたことを何よりも喜んだ。

 今後はいったん放牧に出され、サマースプリントシリーズ第5戦のキーンランドC(8月26日、札幌)に向かう予定。加用師が「もちろんチャンピオンを狙っていく」と言えば、松山も「もっと上を目指して、この馬と頑張っていきたい。ここで止まりたくはない」。目指すはサマースプリント王。そしてその先に待つG1。松山とドリームバレンチノの挑戦は続く。

 ▽ドリームバレンチノ 父ロージズインメイ 母コスモヴァレンチ(母の父マイネルラヴ)牡5歳 栗東・加用厩舎所属 馬主・セゾンレースホース 生産者・北海道新冠町ビッグレッドファーム 戦績23戦8勝 総獲得賞金1億8662万3000円。

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