【ヴィクトリアM】圧巻3頭抜き!マルセ1馬身先着

[ 2012年5月10日 06:00 ]

<ヴィクトリアM>驚異の加速!!ザグレース(中)、ダイシンハンター(右)を抜き去るマルセリーナ

 昨年の桜花賞馬マルセリーナは、CWコースで僚馬を次々に抜き去っていった。道中はベストクルーズ(5歳1600万)と併走しながらペースアップ。5馬身以上前方にいた自厩舎のザグレース、ダイシンハンター(共に3歳未勝利)の2頭に襲いかかる。

 直線入り口で4頭が横に並ぶ。最内に入ったマルセリーナはラスト200メートルでベストを置き去りに。さらに鞍上の松田助手が右ムチ2発で気合を注入すると一度体を沈み込ませてから一気に加速。鞍上が何度も後ろを振り返る余裕を見せながらザグレース、ダイシン2頭に1馬身先着した。松田博師が調教の感触を伝えた。

 「しまいだけ伸ばす指示だったが、いい動きだった。以前は頭が高かったが走るフォームが良くなってきた。直線だけ併せたら、前の馬にも並ぶかなとは思っていたんだが」

 想像を超える3頭抜きの走りに名伯楽も驚きを隠せない。追い切り後、厩舎で愛馬をチェックした指揮官は「まあ、順調には行ってるし変わりないな」と満足げな表情を浮かべた。

 昨年は桜花賞V後、5戦して全て4着以下に敗れた。秋は馬体が絞り切れずローズS(6着)は16キロ増での出走。使いながら徐々にシェイプアップしていったが、春の輝きを取り戻すことはできなかった。だが、指揮官は今年初戦の前走・阪神牝馬S(2着)で復活への手応えを感じ取った。

 「前が残る展開だったけど、最後はいい伸びだったな。昨年の秋はまだ心身共に幼かった。今春は自分で走れる体形につくって放牧から帰ってきた。落ち着きが出てきたし、毛ヅヤ、馬体の張りもいい」

 新コンビを組むのは関東のホープ・田辺だ。指揮官は「掛かるタイプの馬じゃないし、うまく流れに乗ってくれれば」。何度も厩舎の有力馬に騎乗してきた鞍上に全幅の信頼を寄せる。「桜花賞から1年以上勝ってへんし、何とか久々に結果を出したいな」。指揮官の表情は自信に満ちていた。

続きを表示

2012年5月10日のニュース