【天皇賞・秋】池江師 3歳3冠の次は古馬総獲り!

[ 2011年10月26日 06:00 ]

<天皇杯・秋>洗い場で並ぶトゥザグローリー(左)とトーセンジョーダン

 「第144回天皇賞・秋」はこの2頭に注目。オルフェーヴルで史上最速3冠トレーナーに輝いた池江泰寿調教師(42)が送り出すトゥザグローリーとトーセンジョーダンだ。偉業達成に気を緩めることなく、2週連続G1優勝へ力が入っている。関東馬では昨年2着のペルーサが好気配。父ゼンノロブロイと同様に4歳秋の快進撃が始まるか。

 オルフェーヴルが圧倒的な強さで菊花賞を制し、史上7人目の3冠トレーナーとなった池江師。25日朝、栗東の坂路には、いつもと変わらず調教の指揮を執る姿があった。「肩の荷が下りましたね」という報道陣の問いかけに「とんでもない。今週は天皇賞。気が休まる時はないよ」と表情を引き締めた。視線の先には運動するトーセンジョーダンとトゥザグローリー。今週は中距離路線の看板馬をG1舞台に送り込む。

 まずはトーセンジョーダン。前走・札幌記念で重賞3勝目を挙げたが「入厩が遅れて万全ではなかったが、底力を見せてくれた」と振り返る。好位から抜け出し、ゴール前はアクシオン、レッドディザイアとの我慢比べを鼻差でしのいだ。その後は目標をここに絞って調整。「札幌を使っているので仕上がりは早い。1本追い切りを消化するごとに、コンディションが上がってきている」と着実に臨戦態勢を整えてきた。裂蹄に泣かされ思うように結果を残せない時期もあったが「ケアの仕方をうまく確立できた」と爪の不安も解消しつつある。東京芝2000メートルという舞台設定について「小回りとは違うし、天皇賞特有の高速決着には不安がある」と冷静に分析した上で「不向きな部分があっても、もうG1に行かなければいけない立場。あえて挑戦したい」と意気込む。

 そしてトゥザグローリー。春は天皇賞、宝塚記念で共に13着と大敗したが「天皇賞は出入りの激しい展開が厳しかったし、宝塚はすでに夏負けしていた」と明確な敗因があった。夏場の休養で体調は戻っているが「休養明けは走らないタイプで、まだピリっとしない」と慎重姿勢だ。とはいえ、この馬も重賞3勝。昨年の有馬記念ではヴィクトワールピサ、ブエナビスタに鼻+首差まで迫る3着に好走した。「世代トップクラスの力を持っている」のは間違いないだけに、軽視は禁物だ。3冠という大目標を達成し新たな一歩を踏み出す池江師。勝利へのあくなき挑戦は続く。 

 <最終追いでジョーダンにピンナ騎乗>26日に行われるトーセンジョーダンの最終追いにはピンナが騎乗する予定。「レースに直結する調教をしてくれるから」と池江師の信頼も厚い。今春に初来日したピンナだが、重賞は11戦騎乗してシリウスS2着(キングスエンブレム)が最高着順。土曜京都のスワンSでは同じ池江厩舎のエアラフォンに騎乗予定。土曜に初重賞、日曜に初G1制覇と2日続けての快挙達成なるか注目したい。

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