【スプリンターズS】ヴァーゴウ1番時計49秒9!

[ 2011年9月29日 06:00 ]

<スプリンターズS>福永騎手を背に坂路で追い切るエーシンヴァーゴウ

 秋のG1開幕戦「第45回スプリンターズS」の追い切りが28日、美浦、栗東トレセンで一斉に行われた。栗東組ではサマースプリント女王のエーシンヴァーゴウが坂路で1番時計の4F49秒9をはじき出して充実ぶりをアピール。夏の勢いそのままにタイトル獲りへ王手をかけた。

 エーシンヴァーゴウがトップスピードに乗っても軸がブレない、きれいなフォームで駆け上がってきた。福永を背に坂路単走。テンの1Fは脚慣らしとばかりに13秒1で入って、そこからグンと加速した。道中の2Fを12秒0、12秒2でクリアするとラスト1Fも楽々と12秒6でフィニッシュ。ビッシリ追ったわけではない。それでもモニターには1番時計タイとなる4F49秒9が刻まれていた。まさに圧巻のパフォーマンス。福永が驚きまじりに感触を伝える。

 「時計を聞いてビックリしました。坂路で50秒を切る調教に乗った経験がないし、目いっぱいにやったわけじゃないので…。体調はとてもいいと思います」

 今週の栗東は、台風の影響で馬場が重くなった先週とは対照的なコンディション。ジョッキーが騎乗したこともあり、高速時計が出る材料はそろっていた。とはいえ4F49秒台は余力残しで刻める数字ではない。このひと追いに今の充実ぶり、順調な調整過程が凝縮されている。福永が続ける。

 「夏場に3戦した疲れを心配していたけど担当しているスタッフの話では“大丈夫”とのこと。疲れがあれば、こんなに動けないと思いますよ。体調の良さや勢いなど全てをいい方につなげたいですね」

 今年の夏はアイビスSD1着、北九州記念3着、そして前走・セントウルS1着とサマースプリントシリーズ“フル参戦”で激戦を戦い抜いた。その結果が土壇場でのシリーズ逆転優勝だ。たとえ劣勢でも、諦めない姿勢がタイトルにつながった。小崎師は「精神的にも肉体的にも強くなったのが一番大きいですね。初のGI舞台。挑戦者のつもりで臨みます」と意気込みを伝える。夏のドラマにはまだ続きがある。国内外の強豪がそろうこの一戦で一気に頂点を狙っていく。

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2011年9月29日のニュース