【スプリンターズS】サンカルロ馬なり11秒7

[ 2011年9月29日 06:00 ]

<スプリンターズS>トウショウウェイヴ(右)と併せて追い切るサンカルロ

 【G1ドキュメント・28日】美浦の調教スタンド3階の記者席に設置された坂路モニターには、重賞登録馬に限り、坂路入りした馬の名前が順次黄色で表示される。午前7時40分、モニターには「サンカルロ」の表示が3つ並んだ。大久保洋厩舎の定番である坂路3本追い。そのラスト1本がスタートしたことを示している。

 モニター前に陣取った浜田も、動きに目をこらす。パートナーはオープン馬のトウショウウェイヴ。3馬身後方から追走し、最初の1Fは17秒3でゆったりと入ったが、次の1Fで12秒5まで急加速。さらに11秒8とラップを上げ、残り1Fで並びかけると、馬なりのまま11秒7と末脚を維持して1馬身先着した。

 「これくらいは楽に走る馬なんだ。先週の稽古が少し軽かったし、ちょうどいいんじゃないか。走り方も安定している」。引き揚げて来た愛馬の歩様を確認した大久保洋師は、大勢の報道陣に囲まれ笑顔で切り出した。「休み明けの前走(セントウルS4着)が思ったよりも仕上がっていたし、状態を維持する形で順調に調整できた。春と比べても状態はいいし、完璧に近いんじゃないかな」

 春の高松宮記念は2着。3角で故障した馬に接触する不運があり、追い出しが遅れた。「トモを振られる形になって、レース後に見たら蹄鉄がずれていた」ほどの衝撃を受けながら、直線で馬群を割って勝ち馬(キンシャサノキセキ)に迫った。「狭いところを抜けてくる根性がある。前が詰まるというリスクは背負わなければならないが、差す競馬に徹するだけ」。師は自分に言い聞かせるように語った。あくまでスタイルを貫き、悲願のG1タイトルを狙うつもりだ。

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2011年9月29日のニュース