【東京大賞典】スマートファルコン“新砂王”へ

[ 2010年12月28日 06:00 ]

3連勝でのG1・2勝目を狙うスマートファルコン

 今年最後のG1、ダート版グランプリ「第56回東京大賞典」が29日、東京・大井競馬場で行われる。11月の船橋JBCクラシックを超速ラップで逃げ切り、初のG1タイトルを奪取したスマートファルコンが重賞12勝目へ再進撃。東京大賞典歴代最多タイ3勝の武豊を背に“無敵の新砂王”へ名乗りを上げる。また、破壊力を秘める有力馬シルクメビウスは、やはり東京大賞典3勝の内田博を新たに鞍上に迎え初G1を狙う。

 本格化した5歳G1馬スマートファルコンが2010年を締めくくる。かつて砂の王者として君臨したカネヒキリ、ヴァーミリアンの両8歳馬が引退。米国・ブリーダーズCに遠征した国内現役No・1エスポワールシチーも不在とあれば最終舞台の主役は譲れない。
 08年秋から地方でのG3、G2を主体に活躍し、今春までダートグレード10勝。6連勝を飾ったこともあったが、G1には手が届かなかった。カラを破ったのは今年の秋。休み明け2戦目、武豊と2度目のコンビだった船橋1800メートルのJBCクラシック。くしくも今回と同じ8枠13番から4F通過45秒9、5F58秒1で逃げ、後続に7馬身差の圧勝。直前のJBCスプリント(1000メートル)で逃げ切ったサマーウインドの4F通過が45秒3、2着ナイキマドリードの走破時計が58秒5だからの衝撃パフォーマンスだ。ハイラップの先行策を事もなげに演じた名手・武豊もさすがだが、ファルコンも確かな成長を遂げていた。
 小崎師は「精神面に落ち着きが出てきたのが大きい。以前はオンとオフが極端でコントロールが利かなかったが、今は大丈夫。物見すらしない」と目を細める。前走の浦和記念でも格下馬を難なく退け6馬身差楽勝と、あらためて充実ぶりを示した。中間は短期放牧に出されたが緩めずに調整。「前走後も順調。砂の深い浦和でも最後までしっかり走ってくれたのは収穫です。今回もすんなり行けるかどうかだけ。自分の競馬をして力を出し切ってほしい」と師。浦和記念が年内最終戦のプランもあったが、暮れの“グランプリ”へ勇躍参戦。来年以降の飛躍に向け、またひとつ弾みをつける。

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2010年12月28日のニュース