【宝塚記念】(5)ナムラクレセント

[ 2010年6月25日 06:00 ]

<宝塚記念追い切り>小牧騎手を背にCWコースで追い切るナムラクレセント

 宝塚記念の木曜追い切りで伏兵ナムラクレセントが躍動、CWコースで果敢な行きっぷりを見せた。手綱を取る小牧は前々での競馬も視野に入れている。

 CWコースの向正面に登場したナムラクレセントはグングン加速。小牧が追うところなく5F64秒2~1F12秒0でまとめた。引き揚げてきた鞍上は「いつもよりも掛かっていた」と分析。もちろん手応えが悪いわけではない。「調教で乗った感じは変わりない。元気がいい。パワーがついたね」と話した。
 馬場入りを嫌がる癖があるため、入場口をいつもの正面から変更した。いったん加速すれば走りに集中できるタイプ。前向き過ぎるほどの気性は長所であり、短所でもある。それが前走・金鯱賞では悪い方に出た。モロに引っ掛かって8着惨敗。前走時、主戦騎手の小牧は騎乗停止中。再び戻ってきた手綱に全力で応える構えだ。
 「今回は強いメンバーだし、人間もそう力んでいない。思い切ったレースをしたいね」
 菊花賞3着、天皇賞・春4着を持ち出すまでもなく地力はある。要は気持ちがかみ合うかどうか。注目される作戦は「ゲート次第」と小牧は明言を避けた。だが脳裏に1つの鮮やかなイメージが残っている。昨年8月、1000万の阿賀野川特別。トップハンデの58・5キロを背負って逃げの手に出た。道中の折り合いはスムーズ。当時はまだ条件馬同士だったとはいえ、ハンデ53キロだった2着フォゲッタブルに5馬身差をつけた。「あの時が強かったからね。無理せずに行ければ“間違い”が起こるかもしれない」と小牧は笑顔を見せた。
 枠順は3枠5番。切望していた内枠をゲットした。追い風は吹いている。レッドディザイアの回避により、他馬のマークはブエナビスタに集中する。1頭に左右される展開は危ういものだ。そんな時にチャンスが拡大するのが逃げ、先行馬。穴党にとって願ってもない間違いが起こるかもしれない。

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2010年6月25日のニュース