【オークス】アパパネ距離克服し“名牝の道”歩む

[ 2010年5月18日 06:00 ]

史上12頭目の2冠獲りへまっしぐらのアパパネ

 今週は牝馬クラシック第2弾「第71回オークス」が23日、東京競馬場で行われる。桜花賞に続く史上12頭目の2冠を目指すアパパネが快挙達成へ万全の態勢を築きつつある。中間にスタミナ重視のトレーニングを積み、一気に延びる距離に対応する構えだ。一方「データ大分析」ではサンテミリオンが浮上した。

 名牝の道へ。例年になく層の厚い“東女”の中でも史上12頭目の桜→樫の2冠に挑むアパパネが不動の主役だ。2月18日に早々と栗東に乗り込んで挑んだ桜花賞は、他馬をねじ伏せるような男勝りの走りでG1・2勝目。国枝師も確かな成長をはっきり感じ取った。
 「桜花賞は稽古をしっかり積み、すべてが順調にきて2キロ増。いい体になったし、特に筋力がついた。レース自体も序盤で多少行きたがる面はあったが、蛯名君が馬の後ろに入れた時点で大丈夫だと思った」
 2冠の最大の鍵は「距離」と陣営も認識している。同じ国枝厩舎に在籍した母ソルティビッドの通算3勝は1000メートルで1勝、1200メートルで2勝のスピード馬だった。約2カ月近い栗東留学を終え、4月13日に美浦に凱旋した後は坂路はもちろん、平地のトラックコースの調教量を増やす工夫をしている。計測距離800メートルの坂路だけでは筋力はついても、スタミナ強化の面でネック。追い日以外も1周約1600メートルのWコースなどで丹念に乗り込んだ。
 本番と同じ左回りのポリトラックに入った12日の1週前追いでも距離克服の手応えを得た。マツリダガッツ(4歳1000万)を前に前半は15秒~14秒台の緩いペースに行きたがることなく、ラスト1F12秒2と確かな伸び。蛯名も全幅の信頼を寄せる。「(1週前追いは)落ち着いて、折り合いもついたし、本当に順調にきている。距離?それはみんな初めてだから、考えても仕方ない。自分の競馬をして負けたら仕方ないぐらいの気持ち。このまま順調にいってくれれば」。
 指揮官も同感だ。「本番を想定した1週前の動きも良かったし、カイバも食べている。体つきは短距離かもしれないが、距離が初めてなのはみんな一緒。東京マイルは赤松賞(昨秋レコードV)を勝っているのであと半マイルをどう対処するかだけ。この時期の同世代同士なら能力で補える部分も大きい」。阪神JF→桜花賞に続き、オークスでGI3勝目なら、昨年のブエナビスタと全く同じ道のり。競馬史に残る名牝の道が、春真っ盛りの府中で開かれようとしている。

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2010年5月18日のニュース