武豊、落馬骨折…桜、皐月、盾“騎乗は絶望”

[ 2010年3月28日 06:00 ]

 27日に阪神競馬場で行われた「第57回毎日杯」で、武豊騎手(41)が騎乗したザタイキは、直線残り200メートルで故障を発症(左中手骨開放骨折=予後不良)、宙に投げ出された武豊騎手は、激しく馬場に叩きつけられた。

 競馬場内の医務室は凍り付いたような空気に包まれた。弟の幸四郎は「痛がっているから意識はある」と話した。事故から約30分後の午後4時10分、尼崎市内の病院に向かうため、車いすに座って救急車へと移されたが、その表情からは血の気が引いていた。ザタイキを管理する藤原英師が「豊、悪かった」と声をかけると「すみません」と気丈に返事をした。報道陣の前での言葉のやりとりはこれだけだった。
 JRAは精密検査の結果「左鎖骨遠位端骨折」「腰椎(つい)横突起骨折」「右前腕裂創」と発表した。当初は右手関節の亀裂骨折が疑われたがエックス線の結果、明らかな骨折は認められなかった。全治期間は未定。
 今春は手駒がそろい、桜花賞ではアプリコットフィズ、皐月賞はヴィクトワールピサ、天皇賞・春でフォゲッタブルとコンビを組むはずだったが、いずれも騎乗は絶望的となった。きょう28日の春のG1開幕戦、高松宮記念のスズカコーズウェイは古川が騎乗する。
 武豊騎手は02年に落馬で骨盤を骨折し、全治3~6カ月と診断されたところを8週間で復帰。08年に右尺骨骨幹部骨折を負った時も約1カ月でスピード復帰した。これまで何度も見せてきた驚異の回復力でダービー(5月30日)に間に合わせることができるか。

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2010年3月28日のニュース