【オールカマー】シンゲン天下統一じゃ~!

[ 2009年9月23日 06:00 ]

<オールカマー>戦国の古馬戦線で“天下統一”を目指すシンゲン

 今週の中山メーンは、一流古馬が集結した「第55回オールカマー」。注目は重賞2連勝中の6歳馬シンゲンだ。今春、一気に重賞の壁を打ち破り、心身ともにパワーアップ。G1馬を撃破し、大目標の天皇賞・秋(11月1日、東京)に殴り込みだ。

  名武将・武田信玄に似たかどうかは定かではない。こと、競走馬のシンゲンに限れば、完全な“晩成型”だ。22日朝、約1時間近く角馬場でじっくりと乗り込み、坂路を4F69秒3で威風堂々と駆け上がった。一緒に馬場入りした僚馬トレジャーバトルの馬上から、愛馬をチェックしていた戸田師は不思議そうな表情で切り出した。
 「もう6歳なんですけどね。レース数を使ってないからなのか。春先より凄く落ち着きが出てきたし、体もしっかりしてきた。普通の6歳と違うのかな?若い頃はパドックでもうるさかったし、長距離輸送でもすれば、パニックになる時もあったのに」
 その言葉通り、休養を何度も挟みながら、石段を一歩ずつ不屈の精神で登ってきた。新馬戦(05年12月=12着)で、いきなり骨折の憂き目。その後も順風満帆といかなかったが、今春は新潟大賞典、エプソムCの重賞連覇でA級馬の仲間入りを果たした。夏は宮城・山元トレセンで充電。得意の左回りの毎日王冠(10月11日、東京)ではなく、オールカマーに定めたのは明確な理由がある。
 「天皇賞(11月1日)にベストで挑むにはどうすればいいか?間隔を空けた方がいいし、オールカマーなら中4週でじっくり本番に行ける。右回り自体は函館でも勝っているから心配ない。放牧先との連係もうまくいき、夏場も順調に越せた。もともと休み明けはおとなしいし、気分良くさせた方は結果もいい馬。今の充実度なら、G1馬相手にも頑張ってくれるはず」。休養明けは6戦3勝の鉄砲の鬼。重賞3連勝で、いざ盾へ。指揮官はシンゲンの始動戦に、天下統一の野望を膨らませている。

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2009年9月23日のニュース