ディアジーナ樫の女王への桜回避作戦/フローラS

[ 2009年4月22日 06:00 ]

 連覇を狙って出陣だ。オークストライアル「第44回フローラS」(3着まで優先出走権)にディアジーナが満を持しての出陣。田村厩舎は昨年のレッドアゲートに続く連覇をもくろむ。予定通り桜花賞を見送って仕上がりは万全。クイーンCを制した得意の東京で、オークスへ向けて最高のステップを踏む。

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 ディアジーナが桜花賞をパスしたのは予定の行動だった。「桜を使うとオークスへの調整が難しくなる。また、あのメンバーでは勝つのも難しかっただろうね」と町田助手は説明した。この時期の牝馬に長距離輸送は過酷。さらに阪神競馬場の関東馬出張馬房は静かな環境になく、よほど抜けた力がない限り好勝負は難しい。レース後の疲労も懸念される。ならば桜花賞を避け、地元の東京戦を使ってオークスに照準を合わせるのは、関東の牝馬にとって自然な流れなのかもしれない。事実、田村厩舎は昨年、レッドアゲートでフラワーC2着→フローラS1着→オークス6着というローテーションを組み、結果としてG2勝ちを手にした。
 ディアジーナも先輩と同じ臨戦過程を歩んでいる。フラワーCでは伏兵ヴィーヴァヴォドカに逃げ切りを許して2着だったが、人気を背負って後方の有力馬にも気を使わなければいけない以上、仕方のないところ。「内田騎手も、距離を延ばすことを考えて、マイルのような競馬をしなかったということだろう。かえって先につながると思う」と町田助手はプラスにとらえている。
 中間の調整は万全だ。「順調そのもの。育成の段階から牧場でしっかり乗っていたが、この馬は本当にタフ。基礎体力が他馬とは違う」と、体質の強さに同助手は目を細める。「けさ(21日)も乗ったが、柔らかみが出て、非常にいいね」と元騎手らしい観点で良さをアピールした。
 東京はクイーンCでダノンベルベール、ミクロコスモスを一蹴した舞台。急に噴き上がるのではなく、徐々にエンジンが掛かる馬で、長い直線が合っている。「将来、繁殖に上がることを考慮すると、タイトルは多い方がいい。2000メートルもいいと思う」(同助手)。勝算をもって桜花賞をパスした以上、ここは譲れない戦いだ。

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2009年4月22日のニュース