ダイワスカーレット最初の交配相手はチチカステナンゴ

[ 2009年2月17日 06:00 ]

引退が決まったダイワスカーレット

 左前浅屈腱炎を発症し、フェブラリーSを回避したダイワスカーレット(牝5=松田国)の引退が16日、正式に決まった。18日付で競走馬登録を抹消し、今春から北海道千歳市の社台ファームで繁殖生活に入る。既に14日に栗東を出て宮城県山元トレセンへ移動済みで、このまま北海道へ移される見通し。今春の種付け相手は今年から日本で導入されるチチカステナンゴ。海外制覇の夢は2世へと託す。

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 結論はやはり「引退」だった。ダイワスカーレットのオーナーである大城敬三氏と生産者の社台ファーム代表・吉田照哉氏が16日、今後の去就について協議。引退、繁殖入りをJRA広報を通じて発表した。
 現役続行に固執するわけにはいかなかった。フェブラリーSに出走するカネヒキリは2度の屈腱炎を克服したが、これはまれなケース。完治まで最低でも1年。その後も再発の不安がつきまとう。スカーレットの華々しい競走成績、母としての大きな可能性を考慮すれば、引退はやむを得ない選択だった。
 海外遠征の夢は断たれたが、その強さが色あせることはない。ウオッカをねじ伏せた桜花賞。完勝だった秋華賞、エリザベス女王杯。7カ月ぶりのブランクをはね返し、ウオッカと2センチ差の激闘を演じた天皇賞・秋(2着)。最大のハイライトは昨年の有馬記念。快ピッチで逃げて後続を完封、37年ぶりの牝馬優勝を手にした。伝説のレースをいくつもターフに残した。
 松田国師によれば、山元トレセンへと移動した後は患部の具合も良好でウオーキングマシンでの運動も可能。体調に支障なく社台ファームへと向かうことができるのは何よりだ。「これだけの馬なので引退は非常に残念。ただ、痛くない状態で繁殖として牧場へ戻せることにホッとしている。スカーレットの子供たちが楽しみ」と松田国師はコメントした。
 全12戦の手綱を取った安藤勝は「ドバイワールドCでも通用すると楽しみにしていただけに非常に残念。血統、馬格、前向きな気性と、走る馬の条件を兼ね備えていた。きっといい子を出してくれると思う。今度はスカーレットの子に乗せていただければ幸せ」と希代の名牝との別れを惜しみ、その子との出合いに期待していた。

 ▼ダイワスカーレット 父アグネスタキオン 母スカーレットブーケ(母の父ノーザンテースト)牝5歳 栗東・松田国厩舎所属 馬主・大城敬三氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績12戦8勝 総獲得賞金7億8668万5000円。

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2009年2月17日のニュース