スカーレット昨年リベンジだ/有馬記念2週前

[ 2008年12月12日 06:00 ]

安藤勝騎手を背に、坂路を駆け上がったダイワスカーレット

 JRAは11日、有馬記念(28日、中山)ファン投票の最終結果を発表した。2年連続で1位となったウオッカは出走を回避するが、2位ダイワスカーレット、3位メイショウサムソンなどがスタンバイ。今年最後の大一番へ向けて2週前追い切りを行った。14日に出馬登録を行った馬の中からファン投票上位10頭が優先出走権を獲得。残る6頭は賞金順で決まる。

 ホレボレするようなド迫力。競馬史に残る天皇賞・秋(2着)の死闘から1カ月余。ファン投票2位で選出されたダイワスカーレットが安藤勝を背にさらなる上昇をアピールした。まず坂路を4F61秒5~1F14秒9。これだけでも十分な運動量なのに、続けざまに4F53秒2~1F13秒3(馬なり)。手綱を抑えたままウッドチップを高々と蹴散らし、豪快にゴールラインを通過した。
 天皇賞当日以来、手綱を取った安藤勝もあまりの好感触に表情が緩んだ。「天皇賞前より軽く感じるし凄くリズム感がいい。(休養明けの)前走はイライラする面があったが、きょうはガーッという感じじゃなかった。そんな前走でも馬が自ら体を絞って休養前と同じ体重。頭のいい馬で自分で体をつくっちゃうんだろうね」。なるほど、天皇賞は4月・大阪杯(1着)と同じ498キロ。約半年のブランクを自ら克服し、ウオッカと2センチの大接戦。誰もがその強さを再認識した。
 前走後は細心の注意を払い、宮城・山元トレセンへ放牧。十分ケアを行った後、先月28日に栗東に帰厩した。松田国師は「長い休みがあった前走は8週続けてジョッキー(安藤勝)を乗せる厳しい状況だったが、1回使った今回はそこまでの調教は必要ない。背、腰の状態がいいので頭を上下にうまく使ってリラックスして走れている。ファン投票2位?期待に応えられればと思う」と力を込めた。
 無念のグランプリ銀メダルから1年。トウメイ以来、37年ぶり牝馬Vの偉業に突き進む。「(1週前の)来週はいっぱいにやる予定と聞いてます。天皇賞の時よりも体も締まっているし、あとはレースでうまく走ってくれれば…。間違いなく順調です!!」。感涙の復活Vへ、安藤勝は2週後の決戦に向けて早くも気合を入れていた。(小田 哲也)

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2008年12月12日のニュース