栗東留学効果!東の強力カード/マイルCS

[ 2008年11月19日 06:00 ]

<マイルCS>調教を終え、出張馬房の周りを運動するリザーブカード

黄門 頼もしい!胴々ドーバー/マイルCS

 もし競馬界に流行語大賞があれば、今年の大賞は関東馬の「栗東留学」で間違いない。秋華賞をブラックエンブレムが制したのが象徴的で、他にもロジユニヴァースが栗東で鍛えて新馬勝ちするなど成果を挙げている。マイルCSでは今月1日に栗東入りしたリザーブカードが“留学効果”を武器に一発を狙う。
 「よく言われている栗東効果を期待して持ってきた」と語る栗田助手が最も驚いたのは、栗東独特の逍遙(しょうよう)馬道だ。「アップダウンがきつい馬道が延々と続く。かなりの負荷になるね。人間でも坂を歩くのと平地を歩くのではきつさが違う。それと同じこと」。美浦にも坂路の帰り道などウッドチップを敷き詰めた馬道はあるが、残念ながら下りの一方通行だ。
 美浦よりこう配のきつい坂路も効果が大きい。「美浦はひと息で上がれるが、栗東は道中で2度ほど深呼吸をしなければならない」(栗田助手)。肉体面だけでなく心肺機能も鍛えられることが分かる。移動して半月、早くも効果は出ている。「トモ(後肢)の内側のすき間が狭くなった。トモに張りが出たということ」。競走馬の後肢は推進力を得る上で最も重要。パワーを増したことは明らかだ。18日は坂路4F66秒8の後、E(ダート)コースを1周。きびきびとした動きには好感が持てた。
 精神面への効果も大きい。栗東は近くで馬が運動していても、寝ワラやボロ(馬ふん)の処理をガチャガチャと平気で行う。それでも馬は平然としている。「美浦では見られない光景。栗東の馬は精神的に強いはずだ。おかげでリザーブも外的刺激に強くなった。(タフになったので)ゲートも大丈夫だよ。人気はないだろうが、楽しみはあるね」。栗東効果を実感した栗田助手の表情には自信がみなぎっていた。

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2008年11月19日のニュース