アニメ研究部 高田憂希

活躍の場が広がり不安も広がる…温泉むすめ・高田憂希「“私”は邪魔?」

[ 2018年2月4日 10:00 ]

「温泉むすめ」で草津結衣奈役を担当する高田憂希
Photo By スポニチ

 アニメとのコラボレーションで全国の温泉地を盛り上げるクロスメディア・プロジェクト「温泉むすめ」。今回のインタビューにはメーンユニット「SPRiNGS」でセンターを務める草津結衣奈役の高田憂希さんが登場です。昨年から本格始動した温泉むすめだけでなく、個人としても活躍の場を広げている彼女に、2018年の意気込みを語ってもらいました。(西向 智明)

 昨年4月に東京・秋葉原で初のイベント「YUKEMURI FESTA」を実施。それ以降は毎月の定期イベント開催に加えて地方にも進出。さらに、SPRiNGSのライブなども行ってきた。徐々にアニメファンの間で認知度も高まり、「草津温泉に行ってきました」との報告が届くことも増えた。「温泉むすめがきっかけになって、温泉に行く人が増えていると実感できるのがすごくやりがいになっています」と充実した笑顔を見せた。

 ユニットでセンターを務めるキャラクターを演じているため、イベントではMCとして進行することが多い高田。「(初期のころには)うまく進行しなくちゃという思いが強くて、“これはこういう話に持っていこう”とか頭の中で考えていた」という。活動を重ねていくうちに、「メンバー間で信頼とか絆のようなものもできて、今はすごく自然体でしゃべるようになりました。ちょっと目立ちたがりな自分が出てくるくらい、SPRiNGSが居心地のいい場所になっています」。

 10月にはSPRiNGSのキャラクター有馬輪花、有馬楓花が有馬温泉(神戸市)の観光大使に選ばれた。「すごくうれしかった一方で、自分が担当している草津温泉をもっと盛り上げなくちゃと強く思った瞬間でした」と温泉に負けないほどの?熱いライバル心がメラメラ。11月に地元・北九州市の観光大使に自身が任命された話に及ぶと、「自分の活動を地元に認めてもらえたようで感動しました」とする一方、「草津の方々にも結衣奈ちゃんが受け入れられて、そういうことになったらいいなと思っています」と草津愛をのぞかせた。

 温泉むすめという舞台で仲間と共に成長していった高田。時を同じくするように活躍の場も広がっていった。1月期の「小林さんちのメイドラゴン」(エルマ役)、4月期の「武装少女マキャヴェリズム」(鬼瓦輪役)、7月期の「NEW GAME!!」(涼風青葉役)などでメインキャストに名を連ねるなど、2017年はまさに飛躍の1年となった。

 さまざまな作品に携わったことで見えてきたものもある。関連したテレビ番組やイベントへの出演も増え、「高田憂希として人前に立つ機会が多くなりました。私の印象が強くなると、キャラクターじゃなくて高田憂希の声に聞こえているんじゃないか、“私”が邪魔になっているんじゃないかと不安になるんです」。それらを解消するために、「表現の幅を広げて、私の声の価値を高めたい。2018年はそのために何を頑張ればいいのかを見つける1年だと思っています」と力を込めた。

 以前は演技の勉強と言えば、「家で作品を見ていた」ことぐらい。しかし、いろんな作品に出演するようになった今は「アフレコの現場で他の声優さんを見て“こんな風に演じられるんだ”という発見が何度もありました。やっぱり生で演技を見るのが一番勉強になります」。声優の主戦場が宝の山になっているようだ。

 現場で相談した先輩声優の多くが「一番は経験を積むこと」と答えたという。「経験を積むためには、やっぱり声を認めてもらうために頑張るしかない。経験を積んだらまた次の壁が現れて、その繰り返しで演技を高めていくのかなと思います」。止まらない口調に、飽くなき向上心がにじみ出ていた。

 =後編は11日にアップ予定=

 ◇高田 憂希(たかだ・ゆうき) 3月16日生まれ、福岡県北九州市出身。2014年にテレビアニメ「ブレイドアンドソウル」でデビュー。主な出演作に「NEW GAME!」(涼風青葉役)、「三ツ星カラーズ」(結衣役)など。趣味は歌うこと、靴下集め。

 ▼温泉むすめ 全国の温泉地をキャラクター化し、漫画、ゲームなどを展開していくクロスメディア・プロジェクト。キャラクターは各温泉地に宿る人の姿をした神様で、80人(2月4日現在)が発表されている。SPRiNGS以外に4組のユニットが活動。2017年4月から出演キャストによるイベントを毎月行っており、アニメイトタイムズのWEBラジオ「みみぽか」も更新中。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー