永野 初監督作品がブラジルで快挙 南米最大級の映画祭で“過激&独創的”部門の最優秀作品賞
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お笑い芸人の永野(51)の初監督映画「MAD MASK」が毎年ブラジルで開催される南米最大級の映画祭「第22回ポルト・アレグレ国際ファンタスティック映画祭(通称ファンタスポア)」でミッドナイト部門最優秀作品賞を受賞したことが7日、分かった。同映画祭で日本映画の同部門の受賞は史上初。本紙の取材に「芸人永野というノイズのない国に受けたのがうれしい。夢が広がった」と喜びを語った。
受賞したのは最も過激で独創的な作品が集まる部門。永野演じる人の顔の皮を剥ぐことに快感を覚えるバーのマスターが、ある男の顔を剥いだことで罪悪感と悪夢のような映像に悩むというブラックコメディー。芸人として自身が14年前にコントで披露したネタを下地に「自分のやりたいことが完璧に伝わることしか考えなかった」と振り切ることにこだわった意欲作だ。
永野は本紙の取材に「衝動だけで撮ったので、自分の気持ちが漏れてしまって。私小説みたいになってしまいました」と照れ笑い。「ラッセンが好きー!」などシュールで破壊的な笑いが印象的だが、映画、音楽をはじめとしたカルチャーの幅広く深い知識の持ち主として知られ、それを中心に扱った自身のYouTubeチャンネルが大人気。今年の4月からはナビゲーターに抜てきされたBS―TBS「永野映画CHANNEL」もスタートしている。
メガホンを取ったのは初めてだが、2019年公開のホラーコメディー映画「MANRIKI」では原作・脚本を担当。2019年のパリ国際ファンタスティック映画祭へ出品されたが「客席が静かだなと感じた。もっと反応が出る作品を作ってみたいと思った」と監督への意欲が湧いた。その後、米国の映画祭で「もっと振り切ってほしかった」と講評を受けたことで今作では「振り切ること」に重きを置いた。「ブラジルでは観客の支持があったと聞きました。うれしかったですね」
インディーズでの製作。当初、撮影期間はわずか3日だったが、追加撮影を重ねることで何とか撮了した。編集には1年以上かけ「編集が楽しくて楽しくて。終わらなくてもいいくらいだったんです。盆栽のようでした。ノープレッシャーでした」と楽しみながら仕上げていった。
既に次回作の構想もある。「今回の受賞で製作費が集まる可能性がありますね」と笑顔を見せ「MAD MASKより、もっとミニマムでシンプルな状況の話を考えています」。作中冒頭で顔を剥がされる男を演じた金子ノブアキ(44)らにはアイデアを話し、盛り上がったという。「夢が広がりました。世界へ行きてえなあと」。創作意欲は高まるばかりだ。
作品はプライムビデオ、U―NEXTで配信中だ。 (前田 拓磨)
≪斎藤工ら豪華キャスト≫インディーズ製作だが、作品には盟友の斎藤工(44)や「A.B.C―Z」戸塚祥太(39)ら、永野の人脈をフル活用した豪華キャストが出演している=写真。アイナ・ジ・エンド(31)は昨年末のNHK紅白歌合戦に初出場を果たすなどソロ歌手としても活躍。永野は「僕の中ではアイナさんにとって、この作品が黒歴史なんじゃないかと思って申し訳なさがあった。この賞を獲って良かった」と胸をなで下ろした。
▼斎藤工 永野さんは“分かる人に深く届くもの”を信じて、アウトローを突き詰めてこられた。映画「MANRIKI」を経て、ついに本作「MAD MASK」で、地球の裏側・南米の熱狂と評価として結実したことが本当に痛快です。観客の真剣な読み解きも含め、心から称えます。
▼金子ノブアキ やったぜMAD MASK!!サントラも高評価との事で本当にうれしい限りです。そして永野さんはこのままこの映画祭の審査員になるらしい!凄い!もう意味が分からない!新作にも早く取りかかりたい!素晴らしい賞を頂き大変光栄です!これからも全てを無視して真っすぐ脇道にそれ続けたいと思います。
ポルト・アレグレ国際ファンタスティック映画祭 2005年創設で、今年で22回目。ホラーやファンタジー、SFなど特定の分野に力を入れたラテンアメリカ最大の国際的な“ジャンル映画祭”として、世界中のファンに通称「ファンタスポア」として親しまれている。今年は短編・長編合わせて210作品が上映された。2018年には「カメラを止めるな!」が最高賞に当たるインターナショナルコンペ部門最優秀作品賞を受賞した。
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