佐藤二朗 日傘ウオーキングでせりふ覚え 唯一無二の俳優へ歩き続ける

[ 2025年11月2日 05:30 ]

愛用の日傘を手に、笑顔の佐藤二朗(撮影・松永 柊斗)
Photo By スポニチ

 【夢中論】個性派俳優の佐藤二朗(56)は健康のためにウオーキングを続けている。四季の移ろいを肌で感じるほか、立ち寄った店での店主との交流で頭をリフレッシュさせている。この夏には“相棒”も加わった。歩くことは新しいアイデアを生み出す余裕につながっている。(西村 綾乃)

 毎日、往復で30分ほどの距離を早歩きしている。家を出る前には、スクワットを50回。筋力トレーニング後の有酸素運動は脂肪燃焼効果が高い。

 「体重が12キロ減った時期もあったのですが、元が大きかったので小太り中年のままでした…」

 ウオーキングのついでに「晩酌で飲む日本酒の小瓶を酒店に買いに行こう」など、自分への小さなご褒美も忘れない。行きつけの店でポイントカードをもらうなど、店主とのやりとりも楽しく、モチベーションを保つことができている。「歩いていると四季を感じられますし、考えを整理する時間にもなっています」とリラックス効果もある。

 1メートル81でがっちりとした体形。アメフトや柔道などの経験があるのかと思いきや「宝の持ち腐れで、運動は全く…」と意外な答えが返ってきた。

 健康維持のためにできることはないか。親交がある俳優の小栗旬(42)に相談すると「うちのジムに」と誘われた。Tシャツの上からでも分かる鍛え抜かれた体を見て「同じ土俵に上がるのは無理」と尻込み。「ジョギングは続かない」と消極的な理由で、5年ほど前から始めたのがウオーキングだった。

 仕事で地方に行った時には「河原を歩きに行くこともある」と日課になっている中で、最も気をつけているのが日焼けだ。「撮影中は前後の(シーンの)つながりがあるので、肌が焼けないように気を使っています。色白だった中年男が次のシーンで真っ黒に日焼けしていたら怒られますから」

 猛暑日が続いた今夏、折り畳み式の日傘を使い始めた。「静電気が怖いからワンタッチで開閉できるのは便利」という“相棒”。それまでは帽子を愛用していたが「日傘の方が隠れる面積が広い」と開眼。日傘は役者ならではの悩みも解決してくれた。

 日傘を使ったウオーキングは俳優業にも好影響を及ぼしている。「歩く時にせりふをブツブツと言って覚えることがあるんです。商店街や通学路の人通りが多いところを歩く時は(日傘で)顔と口元を隠せるのは便利」と大発見をしたような顔で笑った。

 公開中の映画「爆弾」(監督永井聡)では1分半のせりふに挑んだ。謎の男・スズキタゴサクとして殺人予告を独白するシーン。役者人生を懸けたこの長ぜりふもまた、ウオーキング中に繰り返して覚えた。取材中、この場面を再現してみせた佐藤の顔にはタゴサクの狂気がよみがえっていた。

 10歳の時に経験した学芸会での高揚が忘れられず「役者になることは運命」と思いを貫いてきた。大学卒業後、大手企業を入社日に退社。俳優養成所に入ることはかなわなかったが、1996年に、自ら演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げし、俳優活動を開始した。来年30年目を迎える。「31歳まで塾の講師や交通整理、テレホンアポインターなど、アルバイトで食いつないでいたので、バイトをしなくても飯が食えるなんて夢のよう」とかみしめた。

 せりふを体に染み込ませ、その人物として生きる。これがコメディーからシリアスまで演じ分けられる秘訣(ひけつ)だ。唯一無二の存在感を放つ佐藤は、個性を磨き続けていくため明日も歩き続ける。

 《NHK近田アナからもらったお気に入り》お気に入りの日傘はスウェーデンのブランド「innovator」のもの。NHKの教養番組「歴史探偵」(水曜後10・00)で共演した近田雄一アナウンサー(49)が今春、島根に異動する際に贈ってくれた。ウオーキングから帰宅後、妻に「奇麗に折り畳めるようになった」と自慢すると「私は小学生の時からできた」と返事。「精神年齢8歳の56歳児」と自認する佐藤は「まだまだ伸びしろがある!って褒めてもらいたかったんだけど」と寂しそうに下を向き笑わせた。

 ◇佐藤 二朗(さとう・じろう)1969年(昭44)5月7日生まれ、愛知県出身の56歳。96年に俳優活動を開始。主な出演作にNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、テレビ東京のドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズ、映画「銀魂」シリーズなど。12月19日に映画「新解釈・幕末伝」の公開が控える。来年には原作、脚本、主演を務める映画「名無し」の公開を予定している。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「中居正広」特集記事

芸能の2025年11月2日のニュース