女性の「生理」を題材に…近年ドラマに変化 「御上先生」や朝ドラ「虎に翼」 地上波で描く「覚悟」

[ 2025年3月8日 08:15 ]

日曜劇場「御上先生」第8話(C)TBS
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 俳優の松坂桃李(36)主演のTBS系日曜劇場「御上先生」の内容が、大きな話題を集めている。第7話では、これまで“タブー”扱いされてきた女子生徒の「生理」に焦点が当てられ、視聴者に鮮烈なメッセージを与えた。昨年放送されたNHK連続テレビ小説「虎に翼」でも生理の描写が繰り返し描かれたように、近年では「女性の生理」を題材とする作品が増えている。作り手の意識の変化を探る。(中村 綾佳)

 「御上先生」は、官僚×教師を描く全く新しい社会派学園ドラマ。松坂演じる東大卒の「文部科学省エリート官僚」が出向で私立高3年の担任教師になったことを機に、生徒を導きながら教育制度を現場から壊して権力に立ち向かう物語。映画「新聞記者」などで知られる詩森ろば氏によるオリジナル脚本だ。

 第7話で、女子生徒の椎葉(吉柳咲良)が生理用品を万引きしたことに端を発し、男子生徒も含めたクラス全員の前で思いを打ち明ける…という場面が放送された。女子生徒の一人は「世界中ただのひとりも、生理と無関係な人間なんていない」「これって女性にとって切実な問題だと思う。他人事にしないでほしい…」と語る。

 これまで“タブー視”されてきた生理を堂々と語るシーンは、大きな反響を呼んだ。従来、実際の教育現場でも、女性の生理に関しては「男子別室で、女子のみが指導を受ける」ことが慣例だった。このしきたりが日本の性教育の遅れを招いているとの指摘から、近年は男子生徒もともに指導を受けるなど変化が生じているが、世間の男性の大半が生理についての正しい教育を受けてこなかった。

 そんな背景から、エンターテインメントの場で取り上げられることもタブー視されていた。だが近年では、地上波の、それも家族みんなでテレビを囲む時間帯の人気枠でも堂々と描かれるようになった。

 特に印象深かったのは、昨年放送された朝ドラ「虎に翼」の内容。女優の伊藤沙莉演じるヒロイン・寅子が生理に悩まされ、いつと同じように仕事や試験ができない…という、現代にも通じる女性の葛藤を描いた。

 朝ドラで生理を描くことに抵抗はなかったのか。制作統括の尾崎裕和氏は、本紙の取材に対し「この作品では女性の生理について描きましたが、女性の人生、キャリアを描いていく上で自然だと思える脚本になっています。吉田さんから上がってきた脚本で、確かにそれはしっかり描くべきだというものを描いています」と答えている。

 同作の脚本を務めた吉田恵里香氏は、23年にNHK総合で「生理のおじさんとその娘」というドラマで生理を取り上げていた。演出を手掛けた橋本万葉氏は、自身の育休中に日本の「ジェンダーギャップ指数」が世界153カ国中121位であることを知り、「女性たちを応援するドラマを作りたい」と思ったという。同局を通じて「生理をタブー視する慣習のようなものは大きな変化のないままずっと続いていると感じました。あらゆるドラマの中でも生理は“ないもの”になっています。これはドラマとしてチャレンジする価値があるのではないかと思いました」とコメントしている。

 こうしてドラマ内で描くことで、男性側の意識にも変化が生じているようだ。体調がつらいだけではなく、メンタルにも影響を及ぼす月経前症候群(PMS)の症状への理解も徐々に浸透しつつある。

 「御上先生」では生理のほかにも、放送ごとに“タブー視”されてきた悪しき慣習を指摘し、それについて考えるきっかけを視聴者に与えている。脚本を手掛ける詩森氏が伝えたいのは「パーソナル・イズ・ポリティカル」というメッセージ。「個人的なことは政治的なこと」という意味で、松坂演じる御上は「椎葉さんの抱える生きづらさは、社会とつながっている。政治とつながってる。僕たちの未来がいいものになるかどうかにつながっている。決して椎葉さんだけの問題じゃない」と生徒たちに向かって語りかけている。このメッセージを、視聴者である私たちもしっかりと受け止めて理解を深めていきたい。

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