×

井上拓真“神童”天心に初黒星お見舞い!「大きな喜び」王座返り咲き 「井上家」一丸で再起戦飾る

[ 2025年11月25日 05:30 ]

WBC世界バンタム級王座決定戦12回戦   ●那須川天心 判定 井上拓真○ ( 2025年11月24日    トヨタアリーナ東京 )

声援に応える井上拓(左は兄・尚弥、右は父・真吾トレーナー)(撮影・島崎 忠彦)
Photo By スポニチ

 元WBA世界同級王者でWBC同級2位の井上拓真(29=大橋)がプロボクシングデビューから7戦全勝だったWBC世界バンタム級1位の那須川天心(27=帝拳)に3―0判定で勝利した。

 これがプロボクシングだ!幼稚園から拳闘ひと筋の拓真が、キックボクシングから転向8戦目の那須川に格闘技の公式戦で初黒星を味わわせた。終了と同時に勝利を確信してコーナーに駆け上り、兄・尚弥と抱き合った。「ホッとしてる。これに尽きます」。13カ月ぶりの再起戦でベルトが手元に戻った喜びを口にしながらも、「天心選手に勝てたこと。それが一番大きな喜びです」と繰り返した。

 序盤は那須川のカウンターを浴びたが、ジャブからプレスをかける正統派スタイルでペースを掌握した。「1、2回のペースだと絶対にポイントを取れない。自分から攻めるパターンに切り替えた」。重心が乗った右ストレートを打ち込み、4回の公開採点がイーブンだったことで「これはいけると確信した」。カウンターやアッパーを那須川に叩き込み、世界を2度獲った真の実力を見せつけた。

 昨年10月、同じ「95年生まれ世代」の堤聖也に敗れ、一時は引退も頭をよぎった。約1カ月後に再起を決め、拳を手術してIBF王座を狙おうとしていたところへ舞い込んだのが、那須川相手のWBC王座決定戦だった。尚弥とともに「絶対勝つから」と即断即決。堤戦ではどこか欠けていたモチベーションは過去最高に高まり、尚弥から那須川と同じ左構えでアドバイスを受け、「キャリアが浅いからとなめることなく」、ケガする寸前まで練習で自身を追い込んだ。

 試合後に那須川と抱き合うと、「天心だから俺もここまでやってこられた」と本音で感謝した。再戦についても「向こうもまた上がってくるのは分かっている。その時はもちろんやろうと思います」と明言した。次戦は来年5月、東京ドーム開催予定の尚弥VS中谷潤人戦の前座で堤と再戦の可能性も浮上。“井上尚弥の弟”ではなく、“天心に初黒星をつけた男”として大舞台でのリベンジマッチが待っている。

 ≪兄・尚弥 声を張り上げて的確アドバイス≫拓真の兄で世界スーパーバンタム級4団体統一王者の尚弥は声を張り上げて後押しした。1回に那須川の左ストレートをもらっても「見えてる!見えてる!」と声をかけ、「もう一歩前っ!」「距離詰めよう」「ガード、ガード」と指示。拓真ペースになった後半も「どんどん攻めろ」「引くな、引くな!」と声を張った。那須川戦オファー受諾の背中を押し、練習の時からアドバイスを送り続けた兄は試合終了後、勝利を確信して何度もうなずいた。

 ◇井上 拓真(いのうえ・たくま)1995年(平7)12月26日生まれ、神奈川県座間市出身の29歳。綾瀬西高1年時に高校総体ピン級優勝などアマ通算57戦52勝5敗。13年12月プロデビュー。18年12月、13戦目でWBC世界バンタム級暫定王座獲得。19年11月、WBC同級正規王者ウバーリ(フランス)に判定負けで陥落。23年4月、WBA世界バンタム級王座決定戦でソリス(ベネズエラ)に判定勝ちで王座返り咲きも、昨年10月に堤聖也(角海老宝石)に判定負けで陥落。身長1メートル64、リーチ1メートル63の右ボクサーファイター。

この記事のフォト

「那須川天心」特集記事

「井上尚弥」特集記事

格闘技の2025年11月25日のニュース