世界初挑戦の西田凌佑「信じてくれる人のために勝ちたい」 王者とともに前日計量を一発パス
4日にゴングを迎えるプロボクシングIBF世界バンタム級タイトルマッチ(エディオンアリーナ大阪)の前日計量と記者会見が3日、大阪市内のホテルであり、世界初挑戦する同級1位・西田凌佑(27=六島)はリミットちょうどの53・5キロ、王者エマヌエル・ロドリゲス(31=プエルトリコ)はリミットを100グラム下回る53・4キロで、ともに1回目の計量でパスした。
世界初挑戦とは思えない落ち着き払った様子で西田は公式行事を終えた。「(落ち着きぶりは)ロドリゲス選手に勝つことだけ意識しているからですかね。明日(4日の試合当日)になれば気持ちはガーッと上がってくるかも」と説明した。世界ベルトをつかむためのキーポイントとして「一番は勝つ気持ちを持つこと」を挙げた。
計量後は昨年3月に結婚した沙捺夫人による特製「塩ちゃんこおじや」で栄養補給した。夫人は近大ボクシング部の同期で全日本女子を3連覇した猛者。練習でプロ男子を相手にしても4回戦レベルならパンチを当てさせなかったという。競技を熟知するだけに減量食はバラエティーに富んだ内容で、西田は「おいしいし、毎日違うものがバランス良く出てきて、減量している感覚がないんです」と絶賛する。
サポートはもちろん競技面にも及ぶ。自身のスパーリング映像を見せて不調の際には助言を受ける。王者ロドリゲスについても映像を見た感想を求めた。ほぼ専属トレーナーと呼ぶべき存在だ。3月末に第1子の長女、莉奈ちゃんが生まれ、子育てに忙しい夫人が奮闘してくれた。西田は「(下馬評は)不利でも自分を信じてくれる人がいる。そういう人たちのためにも勝ちたい」と言葉に力を込めた。
王者ロドリゲスは西田へ自身の名前などが入ったトレーニングウエアをプレゼントするなど友好的な姿勢を示した。その上で「私が練習の成果を出せれば最終ラウンドまでいかない。そうでなくても、明白に支配した試合を見せたい」と圧倒することを誓った。計量時に実施される検診では体温36・1度、脈拍は1分間に45回、血圧は99―72。減量の影響を全く感じさせない“健康的な”数値を並べた。標高2240メートルのメキシコシティーで実施した4カ月間に及ぶ高地合宿の成果を感じさせた(一方の西田は体温36・5度、脈拍は1分間に63回、血圧は127―81)。
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