×

桑原拓 世界初挑戦の場が“100人目”世界王者の大チャンス「全力で西田選手を応援する。狙いたい」

[ 2024年4月17日 05:30 ]

<桑原拓・練習公開>報道陣に練習を公開した桑原(撮影・村上 大輔)
Photo By スポニチ

 WBA世界フライ級3位の桑原拓が16日、5月6日の世界初挑戦に向け横浜市内の大橋ジムで練習を公開した。王者のユーリ阿久井政悟は過去に一度負けている“因縁の相手”。リベンジマッチに勝てば日本ジム所属100人目の世界王者となる可能性がある。34年ぶりの東京ドームボクシング興行で、メインイベンターの井上尚弥にも負けないインパクトを残す絶好のチャンスだ。

 桑原は公開したシャドーでは軽快なステップをリングに刻み、自慢のフットワークをアピールした。スピードスターの異名を持つ29歳は「コンディションは今までで一番仕上がっている。試合の日が待ち遠しい」と高揚感を口にした。

 21年7月の日本フライ級タイトルマッチに挑み、TKO負けしたユーリ阿久井と約3年ぶりの再戦。前回は初回にダウンを奪われるなど、10回TKO負け。試合後は担架で運ばれ、屈辱を味わった。スピード一辺倒だった当時を振り返りながら「今はメンタル面でも前回の試合よりパワーアップした。12回の中で接近戦になる場面は絶対にあると思う。そこはしっかりハートで勝負したい」。再起後は5連勝しており、心身ともに成長した姿で王者にリベンジする。

 ボクシング界に名を残すためにも負けられない一戦だ。5月4日にIBF世界バンタム級タイトルマッチで同級1位の西田凌佑が勝利し、同6日に桑原が勝利すれば100人目の日本ジム所属の男子世界王者となる。「全力で西田選手を応援する」と笑顔で話し、「(100人目を)狙いたい気持ちは強い」とメインの井上尚―ネリ戦に負けないインパクトを残す覚悟だ。

 大橋ジムから4選手が出場する4大世界戦の第1試合で登場。「自分が勝って、日本一のジムになれるように頑張りたい。敗れた前回の悪いイメージを全部なくして倒し返したい」。因縁の相手に雪辱を果たし、大型興行の先陣を飾ってみせる。 (伊東 慶久)

 ◇桑原 拓(くわはら・たく)1995年(平7)4月4日生まれ、大阪市出身の29歳。興国高―東農大卒。18年5月にプロデビューし、1回KO勝ち。22年10月に東洋太平洋フライ級王座を獲得し、23年7月初防衛に成功。身長1メートル64の右ボクサーファイター。井岡一翔(志成)と高校、大学が同じことから「井岡2世」と呼ばれる。

【桑原が100人目になるに 初戴冠を狙う石田や武居にも可能性】
 1952年5月19日に白井義男が世界フライ級王者のダド・マリノに15回判定勝ちし、日本人初の世界王座を獲得してから、今年1月23日にユーリ阿久井政悟がWBA世界フライ級王座を獲得するまで、現在日本ボクシングコミッションが公認する日本ジム所属の世界王者は98人。5月6日に100人目の世界王者が誕生する可能性がある。

 同興行の2日前にエディオンアリーナ大阪でIBF世界バンタム級タイトルマッチが行われ、同級1位の西田凌佑が勝てば99人目。4大世界戦の1番手で登場する桑原に100人目の王者になるチャンスが巡ってくる。初戴冠を狙う石田や武居にも可能性がある。

 90年2月11日のマイク・タイソン対ジェームス・ダグラス戦以来34年ぶりに東京ドームで行われるボクシング興行は日本初の4大世界戦。さらに歴史的な一日になるかもしれない。

続きを表示

この記事のフォト

「アントニオ猪木」特集記事

「井上尚弥」特集記事

2024年4月17日のニュース