ボクシング元世界王者の久保隼が再起2連勝 東洋フェザー級王者・清水聡との対戦熱望
プロボクシングの元WBA世界スーパーバンタム級王者の久保隼(30=真正)が28日、神戸市立中央体育館で58・5キロ契約8回戦に臨み、佐伯瑠壱斗(22=岐阜ヨコゼキ)を3回2分59秒、TKOで下し、再起2連勝とした。これで戦績は15勝10KO2敗。
立ち上がりから左ボディーストレートを軸に主導権を握った。2回に近距離で相手の右ストレートや右アッパーをもらう場面があった。決着した3回はカウンターの左ストレートでダウンを奪い、再開後も左ストレートで畳みかけてレフェリーストップを呼び込んだ。「佐伯選手は気持ちが強くて、KO負けも少ない。そういう選手を倒せたので少しは自分を評価できるかな。ボディーストレートが効いていたし、山下(正人)会長と立てた作戦通り」。常に自己採点が辛いタイプだが、この日はかなり前向きに振り返った。
17年4月にWBA世界スーパーバンタム王座を獲得するも同9月の初防衛戦で陥落。19年5月に同フェザー級王座で2階級制覇に挑むも6回TKO負け。20年9月に再起戦のフェザー級8回戦に判定勝ち。今回はそれ以来の試合だった。
今年4月に31歳となる。同じ真正ジム所属でこの日6回TKO勝ちした与那覇勇気、川端遼太郎の同学年2人に刺激を受けている。「与那覇、川端とは同期、今年31歳になるメンバー。部活の延長でどこまでやっていけるか」と負けん気を見せるつもりだ。
今後、フェザー級で世界王座返り咲きを目指す前に国内に対戦したい相手がいる。東洋フェザー級王者の清水聡(35=大橋)だ。東洋大に在籍したアマ時代に自衛隊体育学校へ出稽古した。その際にマスボクシングで「清水さんにボコボコにされました」。マスボクシングは寸止めのはずだが「アマではけっこう振ってくるので…」。その痛みがトラウマとなり、以降は自衛隊体育学校への出稽古に「行きたくなかった」と拒否反応を覚えたという。アマ時代の借りをプロのリングで返そうというわけだ。
ただ、山下正人会長は「相手を選んでいる状況ではない」と世界再挑戦へ最短距離を探る方針。本人も「1試合1試合、どんな相手でも悔いが残らないようにやっていきたい」と表情を引き締めた。
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