井上尚弥 異例、自らの試合を“解説” 本人だけが知っている状況を詳細に説明
ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級トーナメントで優勝したWBA&IBF世界同級王者・井上尚弥(26=大橋)が9日午後9時からWOWOWライブで放送される「エキサイトマッチスペシャル WBSSバンタム級決勝 井上尚弥VSノニト・ドネア」にゲスト出演する。自らの試合を“解説”するため、同日午後に都内で収録に臨んだ。
試合は井上が3―0で判定勝ちし、ムハマド・アリ・トロフィーを獲得したが、2回にドネアの左フックを浴びて右まぶたをカット。プロで初めて自らが流血する激闘となった。立ち上がりは「早い決着になる」と感じていたこと、2回のカットで以降は右目がぼやけて二重に見えるようになり、作戦変更を余儀なくされたこと、8回には出血が激しくなった場面では「血が目に入って右目の視界はなくなったけど、二重に見えなくなった」と本人だけが知っている状況を詳細に説明。9回にドネアの右ストレートを浴びた時にはクリンチで逃れたが、「ピンチを想定してイメージトレーニングしていたことが、とっさに出た」を明かした。
また、弟・拓真とノルディーヌ・ウバーリ(とWBC世界バンタム級王座統一戦も解説。当日は控え室のモニターで見ていたが、「アップに集中できない状況だったので途中でテレビを消しました」と明かした。拓真については「仕上がりはバッチリでした。リラックスしていたし、やってくれるだろうと思っていた」そうで、その拓真に勝ったことで、自分と対戦の可能性も出てきたウバーリについては「手数が多く、アマチュアでのキャリアも豊富でテクニシャンというイメージ」と印象を語った。採点は3~13点差とばらついたことに関して井上は「お互いクリーンヒットが少ない中で、どちらが印象が良いか、ウバーリは見せ方がうまい」と冷静に分析。「自分はガードの上からでも強く打ったりする」などと対処法も披露した。
選手自身が自らの試合を振り返りながら解説するのは異例。井上は「見応えのある試合だったと自分でも思う。楽しかった」と感想を話した。
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