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具志堅会長謝罪「努力したけど…汗が出ません」 比嘉 体重超過で日本人初の王座剥奪

[ 2018年4月15日 05:30 ]

ダブル世界戦 WBC世界フライ級タイトルマッチ ( 2018年4月15日    横浜アリーナ )

計量をオーバーした比嘉(左)に声をかける具志堅会長
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 ダブル世界戦の前日計量が14日に都内で行われ、WBC世界フライ級タイトルマッチで3度目の防衛を目指していた比嘉大吾(22=白井・具志堅)はリミットを900グラムオーバーでクリアできず、王座を剥奪された。世界戦での日本選手の体重超過による失格は初めて。試合は行われる予定で、挑戦者で同級2位のクリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)が勝てば新王者に、負けか引き分けなら空位となる。

計量会場に一人で現れ、比嘉のギブアップを申し出た具志堅会長は深々と頭を下げ、声を絞り出した。

 「重大なことが起こりました。本当に申し訳ございません。あっちゃいけないことが起きた。関係者、ファンの皆さまに本当に申し訳なく思っています」

 体重超過による王座剥奪。昨年5月、比嘉がタイトルを奪取した試合では体重超過の元王者エルナンデス(メキシコ)を激しく非難した同会長だったが、今度は非難される側に。「最終的には私の責任。比嘉は一生懸命努力したけど…ひとつも汗が出ません!」。前代未聞の失態に謝罪の言葉を繰り返すしかなかった。

 夢の米国進出につながるはずだったV3戦が前日計量で暗転。比嘉は焦燥感を漂わせ、目には涙。2時間の猶予を与えられたが、約1時間半後、再び計量台に乗ることすらしなかった。午後4時半頃に外出先から宿泊するホテルに戻ったが、ドリンクのボトルを握りしめ、終始うつむいたまま。「病院に行ってきたのか?」の問いに、付き添った野木トレーナーが「はい」と答えただけで比嘉本人は無言を貫いた。

 ここ数戦は体重との闘いだったが、中2カ月という試合間隔は体重を戻しきらないですむとの見通しからプラスに作用するはずだった。V2戦後の2月21日から26日までロサンゼルスでの興行視察のため渡米。その時に体重は62キロまで戻ったものの、帰国翌日からの徳之島合宿で食事制限をスタート。帰京した3月7日は10キロオーバー。その日から野木トレーナーから朝夕2食分のお弁当差し入れも始まり、試合まで2週間の時点で残り5キロは予定通りだった。だが、最後の最後に胸囲97センチと鍛え上げた筋肉があだとなった。

 王座は失ったが、試合が行われれば、16戦連続KO勝ちの日本新記録の可能性だけは残る。ただ、日本ボクシングコミッション(JBC)は体重超過に対する罰則規定の策定を進めており、比嘉に長期出場停止など厳罰を科す可能性は高い。3階級制覇を狙う井上尚弥とともに期待されていたホープが日本ボクシング界に汚点を残してしまった。

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