プロ野球 今季ボール飛んでる?9戦22発の日本ハム筆頭に昨季から21%増の計1327本ペース

[ 2026年4月7日 05:30 ]

今季すでに5本塁打を放っている日本ハム・万波
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 プロ野球は開幕3カードを終え、9戦22発の日本ハムを筆頭に多くの球団が本塁打数を増やしている。現在のペースなら最近5年で最も多い年間1327本に達する計算で、近年の「投高打低」の傾向に変化が起きる可能性がある。ファンの間でささやかれる「ボールが飛ぶようになった」は本当か。選手、コーチら現場の実感を探った。

 やはり本塁打は野球の「華」だ。昨季まで極端な投高打低とされたプロ野球で開幕早々「異変」が起きている。DeNA・山本は「ホームランが出ているな、という感覚はある。昨季の後半戦も出たけど、それと似た感覚」、オリックス・椋木は「特に野手が“球が飛ぶ”と言っている。投手は負の割合が多い。低め、低めの意識になる」と証言した。

 開幕から3カードを終え、セ、パ53試合で計82本。1試合当たり1・55本と最近5年間で最高の数字になった。シーズン換算なら、昨季1096本から1327本へ約21%も増える計算だ。

 今季からバンテリンドーム、楽天モバイル最強パークはテラス席を設置。ただ、「新たなテラス弾」は2球場で計2発にとどまる。巨人の橋上ヘッドコーチも「他のチームを見ても開幕から本塁打は多い。単純にちょっと飛んでいる感じ」と印象を明かした。

 ファンの間では「ボールが飛ぶようになった」との噂で持ちきり。果たしてそうなのか。今年1月の監督会議で「ちょっとボール飛ばなくね?もう少し飛ばしたいな」との意見を出した新庄監督が率いる日本ハムは開幕9試合で史上最多タイの22発を記録するなど球界の本塁打増をけん引している。ただ、指揮官は「ボールは関係ない。しっかり振り込んできたし、どの球団も振り込んでいるんでしょう」との意見。ボールではなく、打者の技術向上の結果だと指摘している。

 この意見は他にもあり、ロッテ・栗原打撃コーチは「150キロを超える投手は多いが、打者はそのスピードに慣れてくる」と分析し、黒木投手コーチも「投手のレベルが上がる中で、打者もそれに対応して少しずつ追いついてきている感じ」と同調した。近年球速アップが顕著な投手を打ち崩すため、成長してきた打者による「揺り戻し」なのか。それともボール自体の変化なのか。26年シーズンは、そのターニングポイントの一年になりそうだ。(鈴木 勝巳)

 ≪伊東勤氏 肌感覚で打球の飛び方が少し違う≫例年、春先は投手が優位でホームランが少ない印象があるが、今年はよく飛んでいる。バンテリンと楽天モバイルがフェンスを前にしたことが影響しているとも思ったが、日本ハム勢の大爆発を考えるとそれだけとも考えられない。日本ハム打撃陣の成長があることは大前提。その上であくまで推測だが、ボールの反発係数が少し変わっているのではないか。バンテリンで出ているホームランはすべてスタンドに達している。中日でコーチをしていた経験から肌感覚で打球の飛び方が少し違うような気がする。

 ここ数年は3割打者が減り、投手ばかりが目立っている。プロ野球全体として点が入るような野球に変わっていってもいい時期に来ていると感じていた。仮にボールの反発係数を調整し、その結果、ホームランが増えているのであれば、ファンから見れば歓迎すべき“変革”になるのではないかと思う。

 もう1点、少しこじつけになるかも知れないが、WBCの影響もあるかもしれない。投手はそれほど意識することはないが、野手は代表のチームメートが早い仕上げでガンガン打っていると無意識のうちに打つ量も質もつられて上がっていく。3月上旬から侍ジャパンが本番に突入。激戦を展開することで球界全体が“早仕上げ”になって開幕からバットが振れているともいえる。投手戦もいいが、一発が飛び交う打撃戦も面白い。活気あるシーズンになってくれることを期待している。(スポニチ本紙評論家)

 ≪NPBの見解「変更ない」≫NPBの中村勝彦事務局長は統一球について「何か変更しているものはない。(反発係数の)基準値は変わっていない」と強調した。開幕時期に使用しているボールについては「昨年9月に検査して入荷しているもの」と説明。近年の顕著な投高打低を懸念する声には「選手も記録の商売。ずっと同じボールを使っていくというスタンスは変わっていない。今後も(規定の反発係数)は維持していくと思う」と見解を示した。

 一方で会議に出席した巨人・星春海取締役(連盟担当)は「去年の秋ぐらいからのボールは反発係数の基準値の中の真ん中より上。中央値よりも上に行くようにリクエストは出している」と明かした。

 ▽統一試合球の基準 セ、パ両リーグのアグリーメントでは15年2月1日にボールの反発係数は「0・4134」を目標値とすると改めた。それ以前は反発係数を「0・4034~0・4234の範囲内」に収めるとしていた。幅の規定がなくなった後も従来の範囲内のボールを使用し、規格検査は納品前に月に1回実施。WBCでも使われたMLB公式球の反発係数は「0・53~0・57」とされる。検査方法が異なり単純比較はできないが、数値が高いほど打球速度が上がり、飛距離も伸びる。

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