DeNAキャンプで審判員が見慣れない行動を…球界発展のために最新計測機器&データ共有し技術研さん

[ 2026年3月3日 11:15 ]

<DeNAキャンプ>ブルペンでモニターを見る川村育成審判員
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 8年ぶりにDeNAの沖縄・宜野湾キャンプを取材した。20年に完成した立派な室内練習場やブルペンなど敷地内の施設は当時と大きく様変わりし、ハード面だけでなくソフト面も大きく進化。特にデータ分析は同球団が得意とする分野だけあって、最新の計測機器を活用したスタイルには感銘を受けた。

 ブルペンでは多くの選手がトラックマンやラプソードなどで測定したデータを1球ごとに確認しながら投球練習を行う。後ろにズラリと並んだコーチ陣やデータ分析班、運動メカニズムの専門スタッフからその場で意見をフィードバックされる。近未来的な空間の中、捕手の後ろでストライク・ボールをジャッジする審判員が見慣れない行動をとっていたのが気になった。

 何球かごとに後ろを振り返り、イスの上に置かれたタブレットをのぞき込む。マウンドの後ろに陣取ったデータ分析班と会話しながらタブレットとしばらくにらめっこする審判員の姿も。聞けば、球団側から共有されたトラックマンデータをもとにストライクゾーンのすり合わせ作業をしていたのだという。

 球団によると、キャンプ序盤に審判員側から「際どいコースで自分の感覚とデータをすり合わせて(ジャッジの)精度を上げるために参考にしたいので、見せてもらえないか」と協力を求められたという。

 このような依頼を受けたのは初めてだったそうだが、DeNAのチーム戦略部R&Dグループ・小野寺裕喜リーダーは「トラックマンのデータを見れば、ボールがどのコースを通ったのかリアルタイムで確認することができます。審判の皆さんが持ってきたタブレットに接続すれば、データを共有できる仕組みになっている。審判の方も日々、クオリティーを高めるために取り組んでいらっしゃる。お互いにとっていいことなので協力させていただきました」と説明する。

 11~16年にNPBで審判員を務めた経験があるスポニチ本紙の柳内遼平記者(現アマチュア野球担当キャップ)にも話を聞いてみた。「私が在籍中に球団側にデータを共有してもらうという取り組みはなかったです」と振り返る。その上で「当時はベテラン捕手に確認しながら“今のはボールだよ”とか“そこは(ストライク)とらないと”などとやりとりをしながらストライクゾーンを確認していました。感覚的なものも大事ですが、データで確認できるのは審判員にとってありがたい。技術向上のためにも球界全体に広がっていってほしいですね」と話す。

 キャンプ期間中は選手の動向に目が向きがちだが、多くの野球ファンが待ちわびるシーズン開幕に向けて準備を整えているのは審判員も同じだ。プロフェッショナル同士が立場の垣根を越え、最高のパフォーマンスを発揮できるように協力し合う。沖縄の地で球界発展のための“あるべき姿”を見た気がした。(記者コラム・重光 晋太郎)

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