DeNA・牧 今年の自主トレは居合抜き!バットと同じ重量の模造刀でスイング再現性高める

[ 2026年1月13日 05:30 ]

模造刀を使ったトレーニングを行う牧(撮影・木村 揚輔)
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 まさに侍だ。DeNA・牧秀悟内野手(27)が12日、例年趣向を凝らす鹿児島・鹿屋での自主トレを公開し、今年は新たに模造刀を用いた居合抜きに取り組んだ。目的はスイングの再現性を高めることなどで、真剣で鍛錬して通算868本塁打の礎を築いた王貞治(現ソフトバンク球団会長)の境地にも通じる。出場に意欲を示す3月の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、そして悲願の28年ぶりリーグ優勝へ、どんな敵も斬る。

 屋内練習場が突如として“道場”と化した。牧は長さ約1メートル、重さ1キロの模造日本刀を手に、そんきょの姿勢で背筋をピンと伸ばした。右手で柄を握り、中腰になりながら鋭くさやから刀を抜いた。「武士になった気分です」。約15分間、座った状態から立ち上がりざまに抜刀の動作を黙々と繰り返した。

 野球の練習では珍しい「居合」の動きには、アスリートに求められる重要な要素が詰まっていた。単に腕だけで刀を振るのではない。体幹や体重移動を含めたバランスを意識し「体幹の後は手の動き、上半身の右側と左側の動きが大事になってくる」と説明。動作の再現性を高めることは打撃のスイングに通じる部分がある。

 発案者の浜川彰吾トレーナー(38)は「世界の王」から着想を得た。王貞治が日本刀の真剣を振り込んでスイングを完成させ、通算868本塁打の大記録の基礎をつくり上げた逸話は有名。「バットよりも(振りの)軌道のズレが凄くよく分かる。王さんもそういう意図で練習したのかなと思う。自分の体が思い通りに動いていないというのを分かってもらうため」と狙いを明かした。

 抜き身の重量はバットとほぼ同じ約900グラム。細く薄い形状のため振り抜く際は想像以上にブレが生じる。どの姿勢でも同じ軌道で刀を振り抜くことは至難の業。イメージと実際の動きを合致させる意識付けには、うってつけの練習といえる。

 侍ジャパンが大会連覇を目指すWBCは3月。2大会連続出場を目指し、入念に刀を研ぎながら代表入りの報を待っている。「選ばれたい一心でやっているし、選ばれるつもりで準備している」。前回23年大会は準レギュラーとして6試合で打率・200、2本塁打、2打点。今回は中心選手としての活躍が期待される。

 「最初から最後まで出て、チームを勝たせられるような選手になっていければ。日の丸を背負う覚悟を持って戦いたい。(DeNAでも)優勝するために何ができるかを考えてやっていきたい」。世界、そして、セ界の強豪を斬るイメージはできている。(重光 晋太郎)

 ▽王貞治の真剣トレ 62年に巨人打撃コーチに就任した荒川博氏の下、合気道や日本刀での素振りを取り入れた独自の指導法で猛特訓を開始。天井からつるした短冊状の新聞紙を真剣で仕留める素振りなどを行い、集中力と間合いを高めた。荒川氏の自宅の畳が擦り切れるほど素振りを行うなど、その厳しさから「荒川道場」と呼ばれ、一本足打法を会得した64年にはシーズン55本塁打を達成した。実際に使った刀は野球殿堂博物館に展示されている。

 【牧の過去のユニーク自主トレ】

 ☆22年ミット打ち 体幹トレの一環。軸足を意識し、ミットを体全体で蹴ることで体のバランスを強化した。

 ☆23年エアヒット 送風口にボールを乗せ、空気の力でボールが上下左右に揺れ動く打撃マシンを導入。微妙に動くため芯で捉えることが難しく、対応力を鍛えた。

 ☆24年人体骨格模型 1体の人体骨格模型を目の前に置き、自身の目で強化する部位を確認。約500グラムの木刀を振り下ろすことで体幹も鍛えた。

 ☆25年琉球古武術 十手に似た琉球古武術の武器「釵(さい)」を用い、肘や手首を柔らかく使うことで力みのない動作を身に付けた。 

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