ソフトバンク・小久保監督「型にはめない」ひらめき采配貫きリベンジ初日本一!ナインに「おめでとう!」

[ 2025年10月30日 22:13 ]

SMBC日本シリーズ2025 第5戦   ソフトバンク3―2阪神 ( 2025年10月30日    甲子園 )

<神・ソ>日本一となり胴上げされる小久保監督(撮影・光山 貴大)
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 パ・リーグ連覇のソフトバンクが本拠での初戦を落としてから4連勝で2020年以来5年ぶり12度目の日本一に輝いた。昨年はセ・リーグ3位から下克上で進出したDeNAに連勝スタートもまさかの4連敗。昨年のリベンジを果たし、小久保裕紀監督(54)は指揮官として初の頂点に立った。

 7回まで0―2。しかし、8回に柳田が50試合連続無失点のプロ野球記録を樹立した「ミスターゼロ」石井から起死回生の同点2ランを左翼ポール際に放ち試合は振り出しに。この一発はシリーズ球団100号のメモリアルアーチで、巨人、西武に次いで3球団目となった。

 延長に突入した11回、6番・野村が5番手としてマウンドに上がった村上から右翼席へ“日本一決定弾”を叩き込んだ。11回を松本裕樹が無失点に抑え、小久保監督はベンチで首脳陣と熱い抱擁を交わした。

 男に二言はなかった。有言実行の胴上げは痛快だ。小久保監督が虎党に向けたリップサービスを現実にし、ナインに笑顔で「おめでとう!」と声を掛けると甲子園の夜空に現役時代の背番号と同じ9度舞った。

 6月22日に聖地で交流戦優勝を決めた後、リーグ3位だった指揮官は「秋にセ・リーグ1位の阪神さんと戦えるよう頑張りたいと思います!」。多分にリップサービスとチームを鼓舞する目的だったが、セの他球団に失礼と“プチ炎上”した。ただ、宣言通りのカードを実現させ、日本一を奪回してみせた。

 屈辱を晴らした。昨年のシリーズはDeNAに2連勝後に4連敗。6試合で33失点、うち中継ぎが23失点。短期決戦の継投に課題が残った。侍ジャパンの監督として世界一を逃した15年のプレミア12でも継投失敗で叩かれた。タクシーの運転手にも「あの継投は…ねえ」と苦言を呈され、言い返さず「はい、はい」と唇をかんだ。

 「最後に勝ち切れないとこんな思いになると昨年、経験した。是が非でも避けたい」。反省点は、分かっていた。「かちっと決め過ぎて、細かくやり過ぎた。投手起用のひらめきの部分や“こうなったらこう”など、直感が入るスキがなかった」と冷静に自己分析をした。

 迎えた今年の頂上決戦。第1戦では1点ビハインドの7回から藤井、松本裕、杉山の勝ちパターンを迷わず投入した。「一番大事なのは、先を考えずに自分自身が信じ切っているか。今年は型にはめない」。ブレはなかった。第4戦は「変則継投」。7回の男・藤井を6回に送り込んだ。相手は森下から始まる中軸で「出し惜しみしない。先にいい投手から出す」と決断した。7回にヘルナンデスを挟み、松本裕、杉山のリレーで逃げ切った。

 先発起用も正攻法ではなかった。CSファイナルS第4戦は大関だったが、日本シリーズの第4戦は大津を抜てき。5回無失点で勝利を挙げ「(リーグ)後半の内容は安定していた。現時点で先に行かせようとの判断」と指揮官。そして第5戦は中4日の有原で勝負。ひらめき、直感を貫き、初戦を落とした後、4連勝を飾った。

 交流戦、ペナントレース、CSファイナルS、そして日本一の山頂の景色を聖地・甲子園で味わった。選手時代に2度、見たものとはひと味違った。実に風光明媚(めいび)だったようだ。

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