日本人スタッフもMLBで活躍 レイズの渡辺さん&福田さん“勤勉”ケアで選手支える

[ 2025年8月27日 01:30 ]

レイズの渡辺さん(左)と福田さん(撮影・杉浦大介)
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 野茂英雄のメジャーデビューから、今季でちょうど30年を迎えた。今では各球団で選手だけでなく、トレーナーら裏方スタッフに数多くの日本人が活躍している。19~23年に5年連続でポストシーズンに進出した強豪レイズには2人の日本人が在籍。どのように裏方からチームを支えているのか、話を聞いた。(取材・杉浦大介通信員)

 低予算球団の代表格ながら毎年のようにポストシーズンに進出してきたレイズを、2人の日本人スタッフが支えている。マッサージセラピスト&モビリティースペシャリストの渡辺誉さん(50)と、アスレチックトレーナー兼鍼灸(しんきゅう)師の福田紳一郎さん(40)だ。

 2月のキャンプインから、10月のシーズン終了までチームに同行する。午後7時開始のナイターでは午後1時には球場入りし、主に投手のケアを担当。マッサージ、ストレッチ、鍼灸などを施し「選手たちの体調管理をするのが一番の役目」と渡辺さん。福田さんが「僕が大まかなトリートメントをして、仕上げを誉さんがするような形」と語る通り、2人のコンビネーションと日本人らしい勤勉さはレイズの強みの一つと確立された。

 日米で山口俊氏、筒香嘉智、前田健太らのトレーナーを務めた渡辺さんは、筒香が移籍した後も「必要な人材だから」とレイズに引き留められ在籍6年目。直接診ている選手の活躍にはやはり胸が熱くなる。23年7月に3度目の肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた先発右腕ラスムセンは、昨年8月に復帰。渡辺さんは「1試合目はこちらもドキドキ。親のような心境でした」と振り返る。今夏のオールスター戦に初選出され、先発の柱として10勝の活躍を見せている。

 アラバマ州の大学を卒業し、レイズ傘下マイナーのインターンから歩む福田さんは、19、20年に在籍した通算147勝右腕モートン(現タイガース)との出会いが転機になった。19年に献身的な施術でモートンを16勝、防御率3.05とキャリアハイに導き、功績が認められメジャー昇格した。「彼への施術が一番思い出深いです。お寿司を買い私の部屋に届けてくれたこともありました」と言う。

 「ドジャースで2度、レイズで1度、ワールドシリーズに進出しましたが、どちらも負けています」という渡辺さんにとってワールドシリーズ制覇は悲願。福田さんは「最も多くの優勝リングを持つ日本人トレーナーになりたい」と大きな夢を描く。「レイズをメジャーで一番ケガが少ない球団にしたい」という福田さんの誓いが重い意味を持ってくる。

 チームはア・リーグ東地区で今季こそ4位に低迷するが、渡辺さんは「162試合が終わると心も体もボロボロ。それはスタッフも同じです。でも、勝てばそんなの全部忘れますから」と笑う。いつか世界一になる日を信じ、2人は選手の一挙一動に目を光らせ、懸命のケアを続ける。

 ◇福田 紳一郎(ふくだ・しんいちろう)1985年(昭60)4月27日生まれ、兵庫県姫路市出身の40歳。07年夏に渡米し、アラバマ州のトロイ大を卒業。14年からレイズにインターンで在籍。15年からレイズ傘下マイナーでフルタイム勤務し、19年8月にメジャー昇格。全米アスレチックトレーナーズ協会認定アスレチックトレーナーの資格を持つ。鍼灸を大リーグの現場に導入する数少ない存在。

 ◇渡辺 誉(わたなべ・ほまれ)1975年(昭50)6月19日生まれ、宮崎県西都市出身の50歳。鍼灸あん摩マッサージ指圧師専門学校を卒業後、02年から横浜(現DeNA)に10年間所属し、山口氏のパーソナルトレーナーに。16~18年は前田と渡米し、ドジャース入り。19年に筒香と契約し、20年にレイズ入りした。09年にはWBC日本代表のトレーナーも務めた。

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