動かざること山の如し 日本ハム・新庄監督が仕掛ける時は「平和台球場が見え始めた頃」

[ 2025年8月12日 07:15 ]

日本ハム・新庄監督 
Photo By スポニチ

 まるでコインの裏と表のような、対極関係が面白かった。9日からスタートしたソフトバンクとの首位攻防3連戦。1ゲーム差で追う日本ハムは、痛恨の3連敗を喫した。ゲーム差は「4」に広がったが、新庄監督は「まだまだ、40試合あるじゃないですか。最後、どうなるか楽しみですね」と、余裕の表情を浮かべていた。

 この3連戦を「天王山」と位置づけ、有原、モイネロ、大関の一線級をそろえてきたソフトバンク。対する日本ハムはリーグ2位の防御率1・45を誇る北山を“温存”し、プロ2年目で初先発の台湾出身右腕・孫易磊(スン・イーレイ)を11日の第3戦に大抜てきした。起用理由を問うと「今の順位をイーレイは分かっていると思うので、そこでどういう活躍をしてくれる選手なのか見たいですよね」と、育成を兼ねているほどだった。

 第1戦を落とした翌10日だ。試合前に指揮官は「(天王山は)全然先です。2、3ゲーム差でずーっといた方が間違いなくプロ野球が盛り上がる。盛り下げないためには離し過ぎないが完璧。1位と差があったら冷めません?マラソンとか駅伝とかでも1位がダントツだったら」と、就任初の優勝争いにも興行を気にかけるほどの余裕ぶりだった。

 ただ、すべては新庄監督の計算の内だろう。シーズン残り40試合で、ソフトバンクとの直接対決は6試合も残す。全試合全力で挑んでいる選手に、さらに追い打ちのようにプレッシャーをかける時ではまだないと踏んでいる。福岡国際マラソンにかけて、指揮官は言う。「(かつて発着点の平和台陸上競技場に隣接していた)平和台球場が見え始めた頃に仕掛けようかな」と、笑った。

 もちろん、シーズン終盤になれば一敗の重みは違う。リーグ優勝へ向け、重要な3連戦であったことは違いない。ただ、新庄剛志は新庄剛志である。常に「“敵を欺くにはまず味方から”が、僕のテーマなので」と話してきた指揮官。知将のごとく、静かに仕掛ける時期を見計らっている。(記者コラム・清藤 駿太)

「日本ハム」特集記事

「大谷翔平」特集記事

野球の2025年8月12日のニュース