【高校野球】昨夏日本一校に惜敗で幕閉じた旧校「塔南を忘れないで」新校初星逃すも継承した全員野球

[ 2025年7月6日 20:01 ]

第107回全国高校野球選手権京都大会1回戦   開建0―4立命館 ( 2025年7月6日    太陽が丘球場 )

<立命館・開建>立命館(左側列)に敗れた開建ナイン(撮影・亀井 直樹)
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 昨夏、京都国際に3―4と勝利まであと一歩まで迫った激戦を通して、開建(京都)の初代主将・渡辺奏太郎(3年)は心に決めた。

 「やっぱり、俺たちは全員野球や」

 京都国際に惜敗した昨夏は、「塔南・開建」の連合チームとして出場していた。塔南が学校再編で今年2月に閉校することが決まっており、昨夏は3年生が塔南、1、2年生が新たに開校した開建の選手として戦っていた。

 渡辺奏は、入学前から塔南が閉校すると分かっていた。それでも、「塔南野球」が好きだから、この高校を選んだ。

 「個の力で勝負するのではなく、コツコツと全員で戦う姿に惹かれました。塔南高校がなくなっても、新しい学校でその野球を引き継ぎたいと思いました」

 昨夏、塔南最後の試合となった京都国際戦で出場機会はなかった。大好きな塔南野球を継承するために、ベンチから先輩の姿を目に焼き付けていた。

 「京都国際の選手の方が野球は上手かったと思います。でも、僕たちは全員で戦った。そういう意味では、これ以上ない試合でした」

 塔南の名前は消え、「開建」としての戦いが始まった。

 主将に任命された渡辺奏は、塔南が大切にしてきた「人間性」を選手に求めた。練習後には部員全員での清掃も新たに取り入れた。

 今回が開建として最初の夏、自身にとっては最後の夏だった。0―4の8回先頭に代打で出場。悔いを残さぬように強振し、左飛で唯一の打席を終えた。

 立命館に0―4で敗れ、単独チームとしての夏初勝利を逃した。

 それでも選手17人が出場し、伝統校相手に果敢に立ち向かった。

 今年の2年生は、塔南の先輩と一緒に戦った最後の世代になる。

 「後輩には、ただ野球が上手くなるためだけではなく、塔南のスタイルも忘れないでほしい」

 学校の名前は消えても、思いまでは消えなかった。(河合 洋介)

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