【センバツ】東洋大姫路が17年ぶり春1勝 エース阪下は緊急降板、木下が救った

[ 2025年3月21日 06:00 ]

第97回選抜高校野球大会第3日 1回戦   東洋大姫路7―2壱岐 ( 2025年3月20日    甲子園 )

<壱岐・東洋大姫路>2番手で登板した東洋大姫路・木下(撮影・五島 佑一郎) 
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 東洋大姫路(兵庫)は21世紀枠で出場した壱岐(長崎)を7―2で下し、選抜大会では4強入りした08年以来17年ぶりの白星を飾った。入場券が完売した満員の聖地で、2番手右腕の木下鷹大(ようた=3年)が9奪三振を数えるなど8回無失点の好投。エースの阪下漣(3年)が右肘の張りを訴えて1イニングで降板する緊急事態を救い、岡田龍生監督に母校での甲子園初勝利を贈った。

 東洋大姫路に起きた異変は、背番号11の木下にとって絶好の出番だった。大会屈指の好右腕と評される阪下が初回の初球から8球連続ボールで2者連続四球。なおも2死二、三塁から右前適時打を浴びて2点を先制された。そして絶対的エースが緊急降板。満員の甲子園に波乱の気配が漂う中、2回から木下の登板が告げられた。

 一見は緊急登板でも、「全開で試合に入れた」と準備ができていた。理由は前日にさかのぼる。昨秋登板12戦9完投の阪下が、練習中に右肘の違和感を訴えたのだ。試合前には絶対的エースから伝えられた。「初回から肩をつくっておいてほしい」。不穏な状況を察し、試合開始から三塁側ブルペンで全力投球。肩は温まっていた。

 ベンチで見守る背番号1を救おうとする思いが力に変わった。甲子園初登板で自己最速を3キロ更新する147キロを計測し、9奪三振を全て直球で奪った。4回先頭に左前打を許して以降、打者19人を無安打と押し続けた。打っては1―2の5回先頭で左翼線への三塁打を放ち、一挙5点の逆転劇を演出した。

 「阪下は一番頼りになるエース。阪下を守ってあげることができたと思います」

 2年夏に右肘靱帯(じんたい)を痛め、昨秋は背番号を与えられなかった。投球再開は昨年12月と長引き、ゴムチューブなどを使った我慢の練習の連続。「地道な取り組みが今日につながった」。聖地で覚醒し、苦しんだ時間も報われた。

 「岡田監督を選抜初優勝に導けるように、一戦必勝で頑張ります」。選抜初戦に起きた緊急事態。終わってみれば、名将が鍛えた戦力層の厚さを示す一勝となった。 (河合 洋介)

 ○…岡田龍生監督は母校を率いて聖地初勝利を挙げた。「初めて1勝した時のような気持ちで感無量です」。履正社(大阪)監督時代に春夏通算22勝を数えるも、甲子園で母校の校歌を歌うのは現役時代の1979年春の選抜大会以来だった。「“勝って校歌を”という気持ちで母校に戻ってきました。(梅谷馨氏ら)天国におられる恩師にもいい報告ができるかなと思います」と母校のユニホームを着て胸を張った。

 ○…エースの緊急降板に打線が奮起。12安打で逆転に成功した。5番に入った白鳥翔哉真(ひやま)が3打席連続二塁打で勢いづかせた。2点劣勢の4回に反撃につながる一打を放つと、5回1死一塁でスライダーを右翼へ適時二塁打。7回もダメ押しに絡み、3安打3得点。父・一馬さんが元阪神・桧山進次郎氏の熱烈なファンだったことが名前の由来。アルプス席からも桧山氏のヒッティングマーチが飛び出し「もちろん聞こえました。凄く楽しかった」と笑顔だった。

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