プロ野球キャンプ成功の裏側で起きている沖縄の危機…街中のいたるところで節水呼び掛け

[ 2024年2月28日 13:00 ]

<ヤクルト浦添キャンプ>キャンプを打ち上げ手締めを行う高津監督(左端)、村上(右から2人目)ら(撮影・尾崎 有希)
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 2月1日からスタート(一部球団を除く)したプロ野球の春季キャンプが続々と打ち上げを迎えている。記者が担当するヤクルトも、沖縄・浦添での1軍キャンプが28日に全日程を終了した。

 高津監督が「非常に天気も良く、暖かく、動きやすい環境で良い1カ月を過ごせた」と振り返ったように、期間中に雨でグラウンドが使用できなかったのは1日のみ。今年2月の沖縄県内は雨が少なく、練習試合やオープン戦も予定通りに滞りなく開催された。

 関係者の多くが「今年は天気の当たり年だった」と口をそろえる。雨が降ると練習メニューが大幅に制限されてしまう。開幕に向けて調整を行う上で、計画通りにスケジュールを消化できるかどうかは非常に大きな意味を持つ。キャンプ地を訪れた野球ファンも“コロナ後”の春季キャンプを大いに楽しめたのではないだろうか。

 一方で、晴天が続いていることで沖縄は記録的な水不足に陥っている。27日午前0時時点で県内のダムの貯水率は44・4%で、過去10年間の最低値44・3%(18年6月)を下回ろうとしている。2月中旬以降は「節水」や「水不足」という言葉を見聞きしなかった日はなかった。新聞やテレビ、ラジオなどのメディアは連日のように危機的な状況であることを報じ、街中でもいたるところで節水を呼びかけている。

 今後もまとまった雨量が期待できないことから、渇水対策連絡協議会は人体に有害な有機フッ素化合物・PFASが高濃度で検出されている比謝川からの取水を28日から再開することを決定。ただ、これも根本的な解決にはつながらない。記者も沖縄に滞在中は入浴時にこまめにシャワーを止めるなど節水を心がけた。これから旅行で沖縄を訪れる人は、現地のニュースをチェックしながら節水を心がけてほしい。
(記者コラム・重光 晋太郎)
  

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