なぜオールドルーキー誕生続く?「幅広く見るように…」今秋は26歳左腕指名、スカウトも固定観念から脱却

[ 2023年12月25日 08:00 ]

仮契約を終えた巨人ドラフト2位・森田駿哉(中央)(撮影・小野寺 大)
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 年が明ければ、スカウトたちがドラフト候補への挨拶回りに向かうなど、落ち着きを見せていたドラフト戦線も賑わいを取り戻す。来秋の目玉は、野手では明大・宗山塁、投手では関大・金丸夢斗や愛工大・中村優斗ら大学生中心になりそうだ。その傍ら、来秋もオールドルーキーが誕生するかに注目したい。

 今秋は巨人が大卒5年目左腕のHonda鈴鹿・森田駿哉投手(26)を2位指名して話題を集めた。さらに巨人は、大卒3年目左腕の日本生命・又木鉄平を5位指名。昨秋までに解禁済みで今秋指名された社会人選手は、巨人の2選手に加えて、西武7位のENEOS・糸川亮太、阪神5位のJR西日本・石黒佑弥の4人を数えた。決して数が多くないとはいえ、スカウトは一度指名を見送った選手にもしっかりと目を光らせている証と言える。

 あるスカウトは「オリックス・阿部の活躍もあって、社会人選手を解禁年に縛られることなく幅広く見るようになった印象はある」と明かす。オリックス・阿部は28歳だった大卒6年目に20年ドラフト6位で指名された。1年目こそ故障で登板4試合に終わったものの、2年目の22年から2年連続40試合に登板してリーグ3連覇に貢献している。

 今秋ドラフト後の11月、社会人野球日本選手権を現地視察したスカウトは「年齢だけを理由に切らないようにはなっているよね」と話していた。実際に、同大会で8強進出の立役者となったJR四国の25歳右腕・近藤壱来(かずき)に複数のNPB球団が熱視線を送っていた。

 オールドルーキーの誕生は、夢を諦めない社会人選手を励まし、その選手たちの成長を促すだろう。この好循環が社会人野球の活性化につながることにも期待したい。(記者コラム・河合 洋介)

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