甲子園沸かせた151キロ右腕が引退 早大・飯塚脩人 満身創痍の4年間…「苦闘」の中で出した答え
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習志野(千葉)時代に19年選抜準優勝、U-18日本代表入りも果たした早大の右腕・飯塚脩人投手(21)が現役を引退した。卒業後は一般企業に就職する。ユニホームを脱ぐ決断までの道のりと、現在の心境を聞いた。(松井 いつき)
高校時代は最速151キロを誇り、19年選抜の2回戦では奥川(現ヤクルト)擁する星稜(石川)と対戦。2回途中から登板し、7回1/3のロングリリーフで無失点と好投。先発完投した奥川に「投げ勝った男」として話題になった。決勝では石川昂(現中日)を擁した東邦と対戦。0-6で敗れたが、鮮烈なインパクトを残し、周囲からもプロ入りへの期待が日に日に高まっていった。
同年夏も2季連続で甲子園に出場。2回戦で鶴岡東(山形)に敗れたが、投げっぷりの良さなどが高く評価されて高校日本代表入り。奥川や、佐々木朗(大船渡-現ロッテ)、宮城(興南-現オリックス)らとともに奮闘した。当時の代表メンバーは「自分が言うのもなんですけど、だいぶすごかった。プロに入って活躍している選手が多い。チームメイトとしてやった時もすごく安心して。別に自分が打たれても大丈夫だ、ぐらいな気持ちで楽に投げられた。朗希はやっぱり別格。代表の時はたぶんマメとか、調子のいい状態じゃなかったと思うけれど、それでも頭2つ3つ抜けていると思いました」。
高校時代から早慶戦と東京六大学に憧れ、念願かなって早大に進んだ。しかし、入学直後、シート打撃に登板した際「肩が抜けるというか、バン!みたいな音が自分の中でして、力が入らなくなった」。異変が起きた。結局、右肩を手術。一旦はブルペン投球まで再開したが「痛くて。我慢しながら投げてたんですけど、さすがに無理だなって。腕がしびれて力が入らない状態だった」。ピーク時は「箸を持つのも痛かった」。痛み止めなどを飲んでどうにか耐え、練習に臨んでいたが痛みが引くことはなかった。
「もともと投げ方が良くなくて、肘が低い投げ方。スピードは出たけれど、負荷は大きかった」。それでも、憧れの神宮の舞台で5試合に登板。今春の立大2回戦では先発でも登板した。大学時代は最速149キロをマークした。
しかし、学生最終シーズンに向けて頑張ろうとしていた矢先の今年7月。左股関節の疲労骨折が判明した。満足に投げられない上に走ることもできない。「これがトドメになったかもしれない」。競技引退を決めた。
大学での4年間は「やっぱり苦しかったです。スポーツ推薦で入って、その役割を果たせなかった。監督や稲門倶楽部(野球部OB会)の方々には大変申し訳ないことをした。二人三脚でやってくれた土橋トレーナーもです。肩の治療やフォームとかずっと見ていただいて、それでも結果が出なくて。あとは両親だったり、自分がというより周りの人たち、期待してくださっている方々の期待を裏切った」と謝罪が口をついた。
一方「自分としては実のある4年間。人間としては成長できたのかなと思う」。高校時代に感じた地元や吹奏楽などの熱狂的応援や周囲からの期待、大学時代の野球に没頭できる環境…「当たり前のように感じていたのが、今となってはそういうのに感謝できるようになった。感謝とか、そういう気持ちを忘れないっていうのがこの4年間で芽生えた気がします」と振り返る。
だからこそ、今、高校時代を振り返ると「捕手の兼子の存在がすごく大きかった。あと、キャプテンだった竹縄と根本。試合よりもまず先に思い出します」と、信頼できる仲間の存在が真っ先に思い浮かぶという。「周りに成長させていただいた。もちろん(習志野の)小林徹監督始め、仲間、両親、支えてくださる人々…そういう人がいなければ多分ああいう結果にはならなかったと思う」と実感がこもる。
栄光も挫折も味わった学生野球。「高校の時に思うように行き過ぎた。山あり谷あり。それぐらい達観して見れるようになったっていう感じです。たとえ今の状態で野球を続けたとしても良いパフォーマンスは出せない。応援して下さる方をまた裏切る怖さというのは心のどこかである」。どんな場面でも出ていけるタフさが代名詞だった飯塚。重圧と責任を力に変えてきたからこその言葉には重みがある。
未練はないか。「吹っ切れてる感じはあります。こんなこと言っていいのかわからないけれど、もうボール投げなくていいのかと。ちょっと解放された安心感のあるという感じも半分ある」。想像を絶する痛みと戦い続けた4年間の苦闘が言葉ににじむ。
引退を知った佐々木朗からは「現役お疲れ様でした」とねぎらいの連絡があったという。
卒業後は一般企業の営業職に就く予定。「今まで野球しかしてこなかったので不安は大きいけれど、新しいことにチャレンジするので頑張るしかない。生活かかってるので」と前を向く。
「今後、自分がプレーすることは多分ない。草野球とか遊びでもやらないと思います。完全に離れようと。また投げて、痛いのを思い出したくない。もし、教える機会があるのであれば、小さい子とか、自分よりも年齢が下の人に教えてあげられたら」。それが、飯塚が出した答えだ。
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