【社会人マネジャーOB懇親会(1)】故野村監督ら支えた縁の下の力持ち集結 今後はアマ野球の発展寄与へ

[ 2023年12月2日 10:22 ]

「社会人野球マネジャーOB懇親会」で花束を受け取る潮田氏(左)
Photo By スポニチ

 【伊藤幸男の一期一会】社会人野球の「マネジャーOB懇親会」が1日、墨田区の第一ホテル両国で開かれ、計72人の元マネジャーや関係者が旧交を温めた。長年、社会人野球を支えてきたマネジャーOBが全国規模で集結するのは初の試み。世話人代表の泉正二郎氏(61=元東芝マネジャー)は冒頭の挨拶で「この会を通じ横のつながり、縦のつながりをさらに築き、社会人野球の盛り上げにつなげることができれば」と懇親会開催の趣旨を明かした。

 監督、コーチはチーム強化が最優先事項ながら、マネジャーの仕事は年間スケジュールの管理に所属地区との連絡、選手の労務や健康管理など多忙を極める。公式戦優勝は選手にスポットライトが当たるが、名マネジャーがいたからこそ、栄光を勝ち取ることができた。アマ野球担当の記者も、取材で世話になってきた。
 出席者は多士多才だ。発起人の1人、潮田智信氏(70=元三菱自動車川崎)は選手兼マネジャーとして活躍後、川崎市議会議員を24年務め、JABA神奈川県野球連盟会長としてアマ球界の発展にも尽力したとして、今秋の叙勲で旭日章小綬章を受賞した。「現役時代、ボクらは絶対負けられないと戦ってきた間柄だけど、今後は少年野球の発展を応援する会にしたい」と熱い思いを明かした。

 2002年、シダックス監督に就任した故野村克也氏の専属マネジャーとして奮闘したのが、梅沢直充氏(48=シダックス最高顧問室室長)だ。東都大学・日大の主務としての経験も、プロ野球のスーパースター相手に緊張の連続。「最初は言葉も出なかった。そしたら3、4カ月後、野村さんから“お前は目配り、気配り、思いやりのないマネジャーだ”」とダメ出しされたという。

 それでも翌夏の都市対抗で準優勝。激動の日々をともに駆け抜けた05年秋、野村氏が楽天の監督として再びプロ野球に戻る直前「ウメ、お前と一緒にいると楽だよ」とボソッとつぶやかれた。「人間の深さというか…。最後にその言葉に救われました」。梅沢氏が懐かしそうに話した。

 今会合に参加したマネジャー経験者は計50人。現在はそれぞれの職場や、新しい会社に転職してさらに輝きを放っている。(第2回に続く) 

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年12月2日のニュース