【阪神・岡田監督語録】受賞ラッシュ「今、練習したいって言うたらバチ当たる」

[ 2023年12月2日 05:15 ]

阪神・岡田監督
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 今年話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」が1日、都内で発表され、年間大賞に「アレ(A.R.E)」が選ばれた。言葉の生みの親の阪神・岡田彰布監督(66)は表彰式に出席した。

 ―胸にコサージュつけるのは最後になりそう。
 「もうそんなん、最後や。今年」

 ―関西だけにとどまらないインパクトがあった。
 「うーん、なあ。インパクトというか。それも、やっぱり勝ったからやで。結局は。そういうことやん」

 ―改めて勝つことの大切さが、選手たちもわかった11月。
 「まあ、選手も初めての経験やと思うし、そういう意味ではな。このオフな。今、練習したいって言うたら、バチが当たるで(笑)ほんまに。練習したいって言うても、負けたらなんぼでも練習する時間あるけど(笑)勝ったという結果やからな、ここはみんなの感謝にこたえなあかんわな、今はな」

 ―奥さんも大賞を喜ぶのでは?
 「球団から、(候補は)出とったんやけどな。ちょっと、変えたんよ。嫁さんだけじゃないけど、二人や。嫁さんの妹と。ほとんど、文面は変わらんけど、リスペクトいうのが大きかったな」

 ―落ち着いたら、奥さん孝行もできるか。
 「まあ、孝行って、ずっと一緒におったら、一緒やで。そんなもん、おまえ(笑)」

 ―座右の銘を変えると。
 「それは思ってたからな。2005年は、最後(日本シリーズ)に負けたからな。(関係者や知人に、球の文字を)付けないんですか?って言われて気付いた」

 ―最初に道一筋と書いたときからそういう思いだった?
 「そうそうそうそう、おーん。だから、王の道を求めるっていうのやな、球道っていうのはな。それはちょっと(監督)1年目から失礼やなと思って、2004年にな。最初の監督の時やわ。それで道一筋にしたんよ。勝ったら、日本一になったら、てっぺんに行ったら王を求めるというかな、球という字をつけようかなというのはずっと思ってたわ。今回は、ホンマ、忘れてたわ。日本シリーズ勝ってから色紙とか書いてたけど、ずっとそのまま(道一筋と)書いてたからな。ここで変えてもあかんやろと思ったから、これはもう来年やなと思ったわ」

 ―シーズンに没頭していたから忘れていた。
 「まあそうやろな。人に言われるまで気付かんかった」

 ―少年時代から縁がある村山さんの言葉を引き継ぐ意義は大きい?
 「まあ、引き継ぐというかね、村山さんの場合は選手時代からあれ(球道一筋)をずっと書いていたと思うんよ。俺の場合は選手と指導者になってからと変えたけどな、だからな。まあでも、どうか便乗で焼酎とか作ってたけど、誰かが特許を取ってるとかな、そんな話がいっぱい入って来たからな。そらそうよは特許取ってなかったからな。道一筋の方は誰かが特許取ってたんよ。だから、俺の後輩が焼酎を作ったわ。先に球道一筋になってんのよ。焼酎の芋の方の名前は。麦の方は、そらそうよにしとったけどな。(当初は芋焼酎の名前を)道一筋にしようと思ったら、誰かが特許取ってたんや。道一筋の方は。球道一筋の方が誰かが取っていると思ったけどな」

 ―球道にするということは勝利を追求する。
 「まあ、そうやな。これでな、やっぱり日本一っていうな、今年達成できたんで、別につけてもええなと思うけどな」

 ―座右の銘を変えて引き締まる部分は?
 「いやまあ、これは達成感や。一応2004年はそれを目標にしてたんやから。勝ったら付けようと思ってた言葉やからな」

 ―監督1年目から数えて19年目についに?
 「そうそうそう」

 ―長かったか?
 「まあ、優勝したら良かったんやけどな(笑)優勝したらもうちょっと早かったんやけど。日本一、やっぱり王やからな、やっぱ一番上でないとあかんやんか、おーん。でも村山さんは日本一なってないのに球道やからな(笑)そういう意味ではな、考えたわけやん」

 ―球道一筋について村山さんと話をしたことがあるか。
 「いやいや、それは知らん、俺は聞いてない。親父の工場に貼ってあったんよ、色紙が。工場に貼ってあったんや」

 ―ずっとそれを見ていた。
 「そうそうそう。だから覚えてたんやな」

 ―その色紙は今は?
 「いやあ、だって家ないもん、玉造の実家はもうないもんな。誰か持っとんかな、分からん(笑)」

 ―いろんなOBに報告する機会もあったが、墓参りの予定は?
 「いやいや、まだちょっとそれは考えてないわ、今はな。でもあれやで、お墓参りいうたらいっぱい行かなあかんで。だって考えたら(存命は)2人やで。俺が監督に携わった人で、まだ元気でいるのは、安藤(統男)さんと吉田(義男)さんの2人やで。考えてたらみんな亡くなってるんやな、阪神の監督は。ブレイザーもそうやろ、中西さんやろ、ほんま安藤さんと吉田さん2人しか残ってないやん。カツさん(中村勝広)やろ、野村(克也)さんに星野(仙一)さんやろ。なあ。びっくりしたわ、こないだ、そういえばみんな亡くなられてるなって思って」

 ―88年の歴史の重さをかみしめる日本一。
 「ほんまそうよ。まあ、これはそんな簡単なタイミングじゃないけど。俺は今年ユニホームを着て、流れ的にうまいこといったというよりは、みんなの力がなかったら、なかなか最後、頭まで来られへんからな。そういうのが今年は結集したんちゃうかな。簡単にできるもんじゃないからな、チームやからな、1人でやることではないし、チームとして機能しないと、なかなかこんな最後までいけへんよ、やっぱりな。それが今年の場合はな、ほんとうまくいったというかな、何もかもがうまく機能したんやろな」

 ―年末年始もアレをいっぱい聞きそう。
 「まあ、みんな勝手に言うやろ。まあでもアレはある程度継続やから、キャッチフレーズ(チームスローガン)は、そこにちょっとプラスされたりするけど。基本的にはそれでスタートしてんねんから、ある程度それを基本線に置いてのアレがあるからアレンパになったんやろ、アレを付けたらアレンパになってもうたっていうことやんか、言葉にしてもな」

 ―監督は村山さんの言葉を引き継いだ。今の選手に引き継いでほしい伝統はあるか?
 「でも現役の時は分からへんって。分からない、分からない。俺もやっぱりユニホーム脱いでからやもん。脱いで指導者になってから、OBとかとの付き合いとか、話をする機会も増えるし。現役の時はあんまりそこまで思えへんよ。はっきりいって俺はそう思うよ。やっぱその辺から、タイガースOBとして歴史的なこととかな」

 ―それが(A.R.Eの)リスペクトにつながる。
 「うん、よっさん(吉田義男)が一番最初に言うたんよ、その言葉入れた時に。やっぱOBとしてはうれしかったんやろな」

 ―ところで、巨人の開投手は戸郷とのこと。
 「いやあ別にええんちゃう。予告先発やから一緒や。100日くらい早よ分かっただけやろ。今はもう隠すとかなくなったから、面白みがないよ。俺が言うたら先やったんやな、あの時、(11月27日の)納会の時に言うたら良かったな、村山実って」

 ―対策が早くできるというのもない。
 「いや、そんなんもう分かってるやん」

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