阪神ドラ1下村「最優秀防御率を獲れるように」1年目で21世紀初の偉業に挑む 仮契約で決意

[ 2023年11月27日 05:15 ]

仮契約を終え、クリスマスツリーを背に意気込む青学大・下村(撮影・久冨木 修)
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 阪神からドラフト1位指名を受けた青学大・下村海翔投手(21)が26日、神奈川県横浜市内のホテルで入団交渉し、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1600万円で仮契約を結んだ。新たに1年目での最優秀防御率投手賞のタイトル獲得を目標に掲げた。プロでは与四球数の減少を課題に挙げた。達成すれば99年の上原浩治(巨人)以来、21世紀では初となる偉業に挑戦する。

 端正な顔立ちがひときわ引き締まった。無事に仮契約を終えた下村は早くも猛虎の一員としての顔をのぞかせた。チームの連覇に貢献するため即戦力としての期待を背負う大器が新たな目標を明かした。

 「最優秀防御率を獲れるように頑張りたいと思います」

 1年目から最優秀防御率賞のタイトルに輝けば、99年の上原浩治(巨人)以来。21世紀では初の快挙にも即座に意欲を示した。「常に目標は持ってやりたい。投手をやっている以上、点は取られたくない」。まさに投手としての本能だった。

 青学大ではあと一歩で届かなかったタイトルだからこそ、思い入れも強い。今春のリーグ戦では防御率0・85を記録も、同0・82を誇った同僚の松井大輔に及ばず2位。亜大との最終戦では救援で3回無失点も、味方の先発が6回無失点と好投したことで予定の4イニングが3イニングに縮小され「あと1回(1/3)を投げていたら最優秀防御率だったので…運がなかった」と苦笑いで振り返った。プロでの“雪辱”へ「もちろん壁は高いと思うけど、そういうところを目指せるように」と決意を込めた。

 22年は青柳、そして23年は目標の投手に掲げる村上と続く虎の最優秀防御率投手の系譜を継ぐために、課題に挙げたのが与四球数の減少だ。東都1部リーグでの通算与四球率は2・10。今季、セ・リーグの規定到達者で最少タイの15与四球だった村上は、0・94を記録した。

 自身は11月の明治神宮大会決勝で2者連続四球を許して決勝点を献上。「10球投げたうち7、8球は思い通りに投げられるように」。青学大・中野投手コーチからの言葉を胸に現在も練習に取り組む。きょう27日からは後輩らとともに全体練習に参加予定。「ボールは常に触っておく」。年明けの新人合同自主トレでのアピールへ余念がない。(阪井 日向)

 ◇下村 海翔(しもむら・かいと)2002年(平14)3月27日生まれ、兵庫県西宮市出身の21歳。小3から野球を始め、甲武中時代は宝塚ボーイズに所属。九州国際大付(福岡)では1年秋からベンチ入りも甲子園出場なし。青学大では1年秋からリーグ戦に登板。1部リーグ通算24試合で7勝5敗、防御率1.63。50メートル走6秒0、遠投120メートル。1メートル74、73キロ。右投げ右打ち。

 ▼阪神・吉野スカウト 完成度の高さが一番の魅力。制球力が高い投手なので、そのあたりがプロでも通用すればおのずと数字は付いてくるのかなと思う。

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