槙原寛己氏 オリックス・由伸が「脱力」で取り戻した本来の輝き 5回先頭の中野K斬りでさらに勢いづいた
日本シリーズ オリックス5-1阪神 ( 2023年11月4日 京セラD )
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【槙原寛己 日本シリーズ大分析】阪神が王手をかけて迎えた第6戦。オリックスは第1戦で打ち込まれた山本がシリーズ最多の14三振を奪って1失点完投し、3勝3敗のタイに持ち込んだ。序盤は直球がシュート回転するなど苦しんだエースはなぜ立ち直ることができたのか。スポニチ本紙評論家の槙原寛己氏(60)は力みがちだった投球から「脱力投法」に変わったことをポイントに挙げた。
素晴らしい、という言葉しか出てこない。山本の魂の138球。その投球が明らかに変わったのは1点リードの5回だった。
中軸を前に、絶対に塁に出したくない先頭の2番・中野をカットボール、直球、直球で見逃しの3球三振。この打席で山本は投球の基本を思い出したに違いない。力むのではなく、うまく力を抜いて投げてこそボールに威力を与えられる。この回を3者凡退に抑えて一気に波に乗った。
負けたら終わり、のプレッシャーもあっただろう。序盤はわずかな力みから直球がシュート回転していた。2回、ノイジーに先制ソロを被弾。高めの156キロがシュート回転して外角から中に入ってきた。投手なら誰もが肌で感じているが、狙いと違う「意思のないボール」は飛ぶ。それでも前回7失点の反省を生かして「直球で押して変化球」の配球。途中から力が抜けたことで、本来の山本が持つ球威が戻った。見事に修正したと思う。
5回以降、唯一のピンチは3点リードの7回2死一、二塁。ここで森下を打席に迎えた。初球のフォークが真ん中に甘く入る。しかし5戦目までのラッキーボーイはこれを見逃した。この一球が最後のチャンスだった。森下は3打席目まで3連続三振で、決め球は全てフォーク。それまで抑えられていた球種をあえて待てば、初球に反応できたかもしれない。直球を待っていたのだろう。2球目は高めの153キロを打って二飛。試合の趨勢(すうせい)は決した。
山本の姿を見て、13年日本シリーズでの楽天・田中将を思い出した。巨人との第6戦で160球を投げて4失点完投。敗れはしたが、第7戦の9回に登板して胴上げ投手となり、翌14年にメジャーリーグへと旅立った。山本も来季メジャーへ。日本にはもう敵がいない。そう思わせる138球だった。
≪“精密機械”阪神・村上は修正できず≫第1戦で見事に山本に投げ勝った村上は苦しんだ。ボールが高め、高めに浮いた。中6日での登板だったが、日本シリーズの1試合はレギュラーシーズンとは疲労度が違う。疲れもあったのだろう。ボールが言うことを聞いてくれなかった。
抜群のコントロールを誇る右腕の最大の武器は、右打者のアウトローへの制球。それが第1戦のように決まらない。3回には紅林に初球から4球続けて外角にカットボール。この球種はボールを離す瞬間まで意識を指先に集中しないといけない。それを外角に多投することで感覚を取り戻し、「アウトロー」への制球を修正しようとの必死の試みだった。
しかし、その紅林にも最後は直球が2球続けて高めに抜けて四球。シーズンでは144回1/3でわずか15四球だったのが、4回までに2四球。いかに苦しんでいたかが分かる。5回には投げ合っていた山本が明らかにギアを入れ、別人のような投球を見せた。村上も当然、それを肌で感じる。これ以上は失点できない。そう思いながらも、その裏に紅林に痛恨の2ランを浴びた。今季は大活躍も実質1年目。山本との経験の差が出た場面だった。
≪オリと阪神は五分五分…いざ総力戦決着≫まさにがっぷり四つ。3勝3敗で迎える第7戦は両チームとも総動員になるだろう。
阪神は第6戦で決めたかったはず。第7戦の先発は第2戦に6回無失点と抑え込まれた宮城。どう攻略するか。先発の青柳はシーズン成績こそ8勝6敗、防御率4.57だったが、この日の試合前に話をした岡田監督は、フェニックス・リーグでの登板内容が良かったことから先発に決めたと言っていた。第3戦に先発した伊藤将もベンチ入りするはずだ。
対するオリックスは、エース・山本の熱投で再び勢いを取り戻した。本拠地での試合でもあり、ムードは最高潮だろう。こちらも第3戦で5回1失点と好投した東がブルペンで控えるはずで、雌雄を決する総力戦になる。この日は3番に起用した紅林が2ランを放つなど、岡田監督に負けじと中嶋監督の采配もさえている。指揮官2人が最後の決戦でどんな手を繰り出すのか。私は勝敗の行方は五分五分だと思う。どんな結論になろうとも、素晴らしい日本シリーズになった、と言える。
≪ダル抜いた通算45K≫日本シリーズの2桁奪三振は22人26度目で、2度は97、01年石井一久(ヤ)、07年ダルビッシュ(日)、17年今永(D)に次ぎ4人目。山本のシリーズ通算奪三振は45となり、ダルビッシュら4人の43を抜く歴代10位に浮上した。歴代最多は工藤公康(巨)の102。オリックス投手のシリーズ完投勝利は78年第6戦の白石静生(当時阪急)以来45年ぶり。第1戦に先発で敗れながら次戦で完投勝利は球団初で、全体でも73年高橋一三(巨)以来5人目。
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