DeNA・バウアー 国内移籍視野で争奪戦へ DH制のパ希望…ソフトがすでに本格調査

[ 2023年10月16日 03:00 ]

練習を終え声援に応えるバウアー(撮影・島崎忠彦)
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 「2023 JERAクライマックスシリーズ セ」は15日、ファーストステージ(S)第2戦で3位のDeNAが2位の広島に2―4で連敗。敗退が決まった。第3戦の予告先発だったトレバー・バウアー投手(32)は登板のないまま終戦し、1年契約が終了。サイ・ヤング賞にも輝いた右腕は、ドメスティックバイオレンス(DV)問題で米国復帰は厳しい状況で、国内球団による争奪戦が必至となる。

 大物右腕の争奪戦が勃発する。試合前に第3戦の予告先発が発表されたバウアーは「まずはチームの勝利を祈っている。自分は本当に投げたい。勝ってもらって3戦目につなげてほしい」と願っていた。だが、思いは届かず敗退。47日ぶりの復帰マウンドに上がることはかなわなかった。

 一方で、来季の去就は大きな注目となる。現役バリバリのメジャー通算83勝右腕は、3月に1年契約で電撃入団。6、8月と2度の月間MVPを受賞するなど、8月30日の阪神戦で「右腸腰筋遠位部損傷」を発症するまで、10勝4敗、防御率2.76の成績を残した。メジャー時代と変わらず、中4日などの短い登板間隔もいとわず奮闘する右腕だけに、どの球団にとっても大きな補強となる。

 ドジャース時代の21年に、知人女性に対するDV禁止規定違反が発覚。22年にMLBから2シーズン分に相当する324試合の出場停止処分(その後194試合に軽減)を受けた。今年1月に同球団から契約を解除されており、メジャー復帰は困難な状況となっている。バウアー本人は今後について、投手が打席に立つことのないDH制を敷くパ・リーグでのプレーを希望しているもよう。さらにユーチューバーとしての顔を持つため、チームロッカー内など細部の動画撮影可能な球団を求めているという。今季、ド軍との契約での年俸2250万ドル(約33億7500万円)とは別に、DeNAと4億円+出来高払いで契約を結んだが、環境面も含めた新天地を求めることになりそうだ。それらの条件も含めて、ソフトバンクがすでに本格調査を開始するなど、日本のプロ野球球団は動向を注視している。

 もちろんDeNAも全力慰留する構え。試合後、萩原龍大チーム統括本部長は「これから交渉したい。できる限りの手段を取り契約に結びつけたい」と残留交渉に力を注ぐことを明かした。試合後には三浦監督から「登板機会をつくれなくて申し訳なかった」と直接、謝罪された右腕。次の登板をどのチームで迎えるのか、目が離せなくなる。

 ◇トレバー・バウアー 1991年1月17日生まれ、米カリフォルニア州出身の32歳。カリフォルニア大ロサンゼルス校から11年ドラフト1巡目(全体3位)でダイヤモンドバックス入団。インディアンス(現ガーディアンズ)を経て、19年7月にレッズ移籍。15年から5年連続2桁勝利を挙げ、20年は最優秀防御率&サイ・ヤング賞。21年にドジャースに移籍。今年1月に契約解除され、3月にDeNA入り。メジャー通算222試合で83勝69敗1セーブ、防御率3.79。1メートル85、93キロ。右投げ右打ち。

 【今季のバウアー】

 ☆京セラで試合観戦 6月11日のオリックス戦(京セラドーム)の練習後、自撮りカメラを構えて観客席に登場。「日本の野球観戦は楽しい。情熱が強いのでスタンドで応援したかった」と説明。中継カメラにも観戦姿が写るなど話題となった。

 ☆味方拙守に激高 7月1日の中日戦(横浜)の6回。味方の挟殺プレーのミスで満塁となると、放送禁止用語を何度も連呼して激怒。試合後は「優勝するチームの野球ではなかった」と話した。

 ☆ポケモン愛グラブ 8月15日のヤクルト戦(神宮)で7回3失点で9勝目。自身が好きなポケモンの推しキャラ「プリン」と刺しゅうされたピンク色のグラブを使用。「1年前に(自分のYouTubeの)動画の中でプリンの帽子をかぶっていた。いつか試合ができたらいいなと思っていた」とご満悦だった。

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