花巻東・佐々木麟太郎 渡米していた!米大学留学プラン浮上 名門バンダービルト大など見学

[ 2023年9月20日 03:00 ]

花巻東・佐々木麟太郎
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 今秋ドラフト1位候補の花巻東(岩手)・佐々木麟太郎内野手(18)に米留学プランが浮上していることが19日、分かった。米大学球界の強豪で知られるバンダービルト大の施設見学などのために渡米していることが判明。現地では複数の大学に加え、メジャー球団の施設、環境なども視察するとみられる。進路に関しては、プロ入りか、米留学も含めた進学か、さまざまな選択肢から熟考して決断する構えだ。

 歴代最多の高校通算140本塁打を誇る佐々木麟が、さまざまな可能性を探るために、渡米していた。今夏の甲子園大会の準々決勝で仙台育英に敗れた際、今後の進路については「まだ全く考えられていない。今後、どう歩んでいくのか決めていないので。岩手に戻ってから決めると思います」と話していた。プロ入りか、進学か。そこに新たに米国留学の選択肢も加わった。

 バンダービルト大は米南部テネシー州ナッシュビルにある大学で、ビューラー(ドジャース)、スワンソン(カブス)ら毎年のようにドラフト1巡目を輩出する名門だ。大リーグスカウトが「米国の大学に来る可能性はあるのではないか」と指摘するように、施設も充実。米トレーニング施設「ドライブライン」との結びつきが強く、18年に1200万ドル(約17億7600万円)で完成した施設は、メジャー球団も顔負けの最先端技術が備えられている。他にも複数の大学から誘いの声が届き、渡米する運びに至ったという。
 花巻東OBの菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)がメジャーでプレー。幼少期から見てきた2人が活躍する中、米国への憧れを抱くのは自然な流れと言える。また、高校では本塁打記録などで注目を集めたことから、心ない誹謗(ひぼう)中傷に心を痛め、静かな環境でやらせたいという父の洋監督の意向もあるとみられる。1メートル84、113キロの体格は日本では巨漢だが、米国には同じような大型選手はゴロゴロいる。どんな環境で、本場の怪物たちは育まれているのか。仮に異なる選択をした際にも、今後の野球人生において今回の視察が大きな経験となることは間違いない。

 佐々木麟は10月8~11日に鹿児島で開催される国体出場に備え、8月の甲子園大会後も練習を続けている。次のステージに向けて木製バットを振り込むなど、夏前に痛めた背中などコンディション面の不安もなくなった。可能性を広げるため、三塁などさまざまなポジションの練習にも取り組んでいる。

 留学を含めた進学か、プロ入りか――。プロ志望届提出期限はドラフト2週間前で国体終了後の10月12日。日米のスカウトから熱視線を浴びながら高校通算最多の140本塁打を放ったスラッガーが、自らの将来と真剣に向き合っている。

 ≪米大学に留学→大リーグ 過去にも複数人存在≫過去に日本の高校卒業後、米大学に留学して大リーグ球団にドラフト指名された選手は複数いる。初のケースは02年。九産大九州からインディアンヒルズ短大―アリゾナウエスタン短大に進んだ坂本充外野手が、ロッキーズから24巡目(全体711番目)で指名されて入団。楽天・田中将の同期で、駒大苫小牧からデザート短大に進んだ鷲谷修也外野手は09年にナショナルズに14巡目(全体412番目)で指名された。今年7月のドラフトでは東北から米留学したオレゴン大の西田陸浮内野手がホワイトソックスから11巡目(全体329番目)で指名されて入団。今季は1Aでプレーした。

 ▽バンダービルト大学 テネシー州ナッシュビルが誇る総合大学で1873年創立。学業レベルで常に全米トップ20に入り、卒業生にはアル・ゴア元副大統領やノーベル賞受賞者も複数。野球部「コモドアーズ」は14、19年と2度NCAA(全米大学体育協会)チャンピオンに輝き、07年全体1位指名で12年サイ・ヤング賞のデービッド・プライス、15年全体1位指名のカブス・スワンソンらを輩出。18年の最新施設建設の際には、プライスが250万ドル(約3億7000万円)など活躍したOB選手らからの多額の寄付で6割以上が賄われた。

 ▽プロ志望届 04年5月に、従来の退部届に代わり「プロ野球志望届」制度を設けることが決まった。プロ入りを希望する部員は所属連盟へ「プロ志望届」の提出が義務付けられた。高校生、大学生ともに提出期限はドラフト会議の2週間前で、今年は10月12日が締め切り日。提出者は高校生は日本高野連、大学生は全日本大学野球連盟が公表する。提出し、仮に指名されても、拒否して進学することも可能。

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