ソフトB 育成・桑原秀侍 二刀流から「打」で勝負「しっかり印象を残せるように」

[ 2023年9月12日 07:05 ]

非公式戦で3割を超える打率を残しているソフトバンク・桑原
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けしている筑後鷹。第45回は高卒3年目の育成選手・桑原秀侍投手(21)に注目する。1年目のオフから打者にも挑戦中。名前に「サムライ」の文字を持つ男は二刀流で、今季は非公式戦で3割を超える打率を残すなど打撃に手応えを感じている。母校の神村学園は今夏の甲子園で初の4強入り。後輩からもらったパワーも力にアピールを続ける。

 鷹の二刀流の桑原が特にバットで光るものを見せている。今月5日にタマスタ筑後であった巨人との3軍戦。3番打者として左中間を鋭く破る二塁打に犠飛を放つなど、しっかり存在感を示した。今季の3、4軍非公式戦は100試合以上に出場し、3割を超える打率を残している。

 「徐々に昔の感覚が戻ってきたのもある。それとともに技術も向上していると思います」と手応えを語る。

 神村学園から最速149キロ右腕として入団した1年目は3軍で34試合に登板して防御率2・70の成績を残した。同年秋に二刀流の挑戦を球団から打診された。高校通算17発で4番を打っていた桑原は「自分もバッティングが好きだったので。機会があるなら、ぜひやりたいと思いました」と決断は早かった。

 二刀流元年の昨年は「ブランクを実感した」と44試合に出場して打率・138と苦しんだが、3年目の今季は躍動中だ。きっかけになった試合があった。5月18日の独立リーグ・高知戦でプロ初本塁打を放った。「こう打てば、ここまで飛ぶんだ」といい感触をつかんだ。力強くバットを振れていることに加え「変化球にちゃんとバットが出る」と自己分析。ミスショットが減って打率が安定している。大道3軍打撃コーチら首脳陣からは「結果を気にせずに」と背中を押されており「そういうアドバイスもあって、今の状態をキープできていると思います」と感謝する。

 この夏、後輩たちからはパワーをもらった。母校の神村学園が甲子園で初の4強入り。大会前には同じOBで後輩の楽天の泰勝利とともに熱中症対策グッズを送って激励した。「刺激は受けましたし、甲子園の大変さは分かるので、ものすごく頑張っているなと思いました」と笑みを浮かべる。自身は2年夏の甲子園に4番打者として出場。初戦の佐賀北戦で適時二塁打を放つなど3打数2安打1打点で勝利に貢献したが、2回戦では高岡商に敗れていただけに感慨深い表情だった。

 投手としても今季は15試合に登板して3・91の防御率を残しているが、現在は「練習はほぼ野手です。自分も打者でいきたい(勝負したい)思いはあります」と話した。3軍は今週から韓国遠征があり、10月には宮崎でのフェニックス・リーグも控える。「しっかり印象を残せるようにやっていきたい」と実りの秋にする。 (杉浦 友樹)

 ◇桑原 秀侍(くわはら・しゅうじ)2002年(平14)5月29日生まれ、熊本県出身の21歳。熊本中央ボーイズに在籍していた中3時に世界少年野球大会の日本代表に選出。神村学園では2年夏に甲子園出場。20年育成3位でソフトバンクに入団。背番号は124。1メートル76、82キロ。右投げ右打ち。

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