どうなる…阪神・近本 骨折した右肋骨付近の死球で「分からない」4日に検査 球団67年ぶり快挙喜べない

[ 2023年9月4日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神7-1ヤクルト ( 2023年9月3日    神宮 )

<ヤ・神>9回、死球を受けうずくまる近本(撮影・岸 良祐)
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 あの悪夢がよぎった。7月2日の巨人戦で高梨から受けた死球により右肋骨を骨折した近本が、9回先頭で左腕・山本から同じ右脇腹付近に死球を受けた。うずくまり、立ち上がれない。ベンチからトレーナーに続いて平田ヘッドコーチも駆けつける一大事。代走・小野寺を送られ、ベンチへと引き揚げる際には涙を拭うようなしぐさもあった。それでも、試合後は穏やかな表情で「(状態は)分からない。痛み?当たっていたら、そりゃ痛いですよね」と説明。きょう4日に、病院で診察を受ける。

 67年ぶりの快挙の後に、激痛に見舞われた。歴史的なパフォーマンスを続ける中でのアクシデントだからこそ、余計に悔しい。初回先頭で右前へ痛烈な打球を放つと、スライディングキャッチを試みたサンタナが後逸。今季10本目の三塁打とし、前回優勝時の05年にリードオフマンの赤星憲広(現本紙評論家)が記録した9本を超え、67年藤田平以来の2桁に乗せた。

 4回2死からは左中間三塁打し、球団では1956年の田宮謙次郎(12本)以来となる年間11三塁打。4月19日広島戦以来のマルチ三塁打でプロ5年目にして通算31本目とし、球団歴代14位の掛布雅之氏に並んだ。残り23試合、まだまだ歴史の扉をこじ開けていくためにも、今はただ無事であることを祈るしかない。

 「得点圏で打てなかったので、それは残念です」

 クラブハウスへと引き揚げる道すがら、痛みを抱えながらでも、2回1死二塁で右飛に終わった打席を悔やんだ。胸に宿る責任感。優勝マジック「15」からのラストスパートは、近本抜きでは走り切れない。尾張の地で元気な姿を――。それだけが虎党全員の願いだ。 (八木 勇磨)

 ▼ヤクルト・高津監督 あれは申し訳なかった。別に、もちろん、ぶつけようと思って、ぶつけているわけではないんですけど、(山本は)持ち球がシュートなので、そこにいってしまったというところ。

【データ】
 ○…近本が初回と4回に1試合2本の三塁打。セ・リーグタイ記録(過去多数あり)で、自身は4月19日の広島戦以来2度目。これでリーグ単独トップのシーズン11本目。阪神選手のシーズン11三塁打以上は、56年田宮謙次郎の12本以来67年ぶり8度目(4人目)。最多は51年金田正泰の18本でプロ野球記録。

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